料理が面倒、忙しくて料理をする暇がない、そもそも料理が苦手……でも、野菜はちゃんと食べたい! そんな人におすすめなのが、書籍『生産者さんだから知っている そのままおいしい野菜の食べ方』。旬の時期や、新鮮なものの見分け方、栄養、長持ちする保存方法、おいしく食べるためのコツなど、なるべく料理せず、ラクにおいしく野菜を食べる方法を多数紹介しています。今回は、そのなかから初夏に旬を迎える野菜について紹介していきます。(監修/管理栄養士 吉沼弓美子)

そのままおいしい野菜の食べ方Photo: Adobe Stock

健康のためにも、野菜や果物を毎日の食卓に取り入れたいという方は、とくに栄養価の高い「旬のもの」に注目してください。
今回紹介するのは、トマトです。

生育に適した温度が高いため、露地栽培の旬は5~9月ですが、ハウス栽培により1年を通して出回っています。冬から春にかけては九州地方、夏から秋にかけては関東地方や北海道での栽培がさかんです。

丸くてずっしりと重く、表面につやとはりがあって実が締まっているものを選びましょう。へたの緑が濃く、ピンとしているものが新鮮です。
お尻に入っている星形の白い筋(=スターマーク)がくっきりしているものは、うまみとコクがのっています。

ビタミンCやβ-カロテンが豊富な緑黄色野菜の一つ。赤い色素成分のリコピンが特徴で、β-カロテンの2倍ともいわれる強い抗酸化作用を発揮し、生活習慣病を予防したり、肌や目の健康を守ったりする効果が期待されています。カリウムも豊富に含み、夏バテや熱中症予防にも最適!

この種類だからおいしい! 生産者直伝の食べ方

トマトにはさまざまな種類があり、実は品種によっておすすめの食べ方が異なります。
ここではサイズの違いとあわせて、代表的なものをご紹介します。

大きめサイズで今が旬なのが、「桃太郎」。
大玉の中でもビッグサイズで、後味さっぱり! 皮が薄くてほどよい酸味があり、生でも加熱しても美味です。

「りんか409」は、酸味と甘みのバランスが抜群!
とろりとした質感で生でも食べやすく、甘みも強くて、まるで果物のようなトマトです。

「シシリアンルージュ」は楕円形で、イタリア発の品種。加熱すると豊富に含まれるうまみ成分が凝縮され、本領発揮します!

「フルティカ」はミニトマトよりもやや大きいサイズ。酸味が少なくて甘みがあり、果肉はなめらかです。

ミニトマトの「プチぷよ」は、ぜひ生食で。薄い皮とぷよぷよとした弾力ある果肉はまるでさくらんぼ。甘みとほどよい酸味もあり。弾ける食感が特徴です!

同じくミニトマトの「ロッソナポリタン」は、イタリア発の品種です。うまみと甘みが強く、含まれる水分が少ないので、加熱調理向き。

「アイコ」は、糖度の高い品種。肉厚でゼリーが少なく、果汁が飛び散りにくいミニトマト。生でも加熱してもおいしいです。

大きいトマトを保存するときは、へたを除いてポリ袋に入れ、へたがあったほうを下にして冷蔵庫の野菜室へ。
まだ青い部分があるときは常温に置き、赤くなるまで追熟させましょう。水分がゆっくり抜けていくので、おいしさをキープできますよ。

旬の野菜や果物は栄養たっぷりで、驚くほど体にいいもの! とはいえ、健康のために野菜や果物を食べたいと思っても、手間や時間をかけて料理をつくるのが面倒、すぐダメにしてしまうなどで、結局野菜をあまり食べられない……ということはありませんか? 『生産者さんだから知っている そのままおいしい野菜の食べ方』は、なるべく料理せず、そのままさっと食べる方法だけをまとめて1冊にしたものです。それぞれの野菜の旬の時期や、どんな栄養素が含まれているかが見るだけでわかり、ハズレの野菜を引かないための選び方や、長持ちする保存方法、手軽でおいしい食べ方を簡単に知ることができます。しかもそれらは、野菜を大切に育てている生産者さんに聞いたものです。ちょっとした知識があるだけで、体にいいものを驚くほど手軽に、おいしく食べることができますよ!