時代錯誤の発想は
そろそろ封印すべき

 ダイキンや中外製薬など、出身国や国境にとらわれない真のグローバル経営を、「トランス」ナショナルモデルと呼ぶ。日本語では、超国家モデルなどと訳されている。

 筆者はあえて「超国家結郷」モデルと呼ぶ。日本には古くから「結」や「郷」という共創モデルがあった。それを、国境を軽々と超えて、広げていくイメージだ。日本発、日本人経営、国益などという「お役所日の丸」的な時代錯誤の発想は、そろそろ封印しようではないか。その際に、日本を出発点や終着点と位置付けてはならない。実力もないくせに、そんな身勝手なことをする日本を、世界は軽々と跨いで先に進んでしまうだろう。

 シン日本流は、日本が「津(しん)」、すなわち寄港地であることを目指す。そのためには世界に追いつけ追い越せという古いパラダイムではなく、世界の中で異質性と共感性を獲得することに注力しなければならない。