理系・文系ではない
評価される人材とは?
電子部品業界はその性質上、製品が消費者の目に触れづらく、業界自体が地味な印象を持たれがちだ。
しかし実際には、村田製作所やニデック、京セラ、オムロンといったグローバルシェア上位を誇る日本の電子部品メーカーは、GAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック<現メタ>、アップル、マイクロソフト)やエヌビディアなど世界的プレーヤーと最前線でビジネスを展開している。それが大きな魅力であり、「ものづくり×グローバル×最先端」というキャリアパスを実現できる。
こうした背景から、学生にとっても十分に魅力のある業界である。
採用においては、もちろん理系が有利とはいえ、理系・文系の別よりも「チャレンジできる力」「やりきる力」「柔軟な発想力」がより重視される。単にモノを作る技術者ではなく、どの市場・用途に何が求められているかを想像し、自ら提案・設計できる人材が評価される。
具体的には、AI搭載サーバーやウエアラブル向け全固体電池、AR/VR向けのセンサー部品など、将来の用途を先読みして開発提案できる人材が求められている。
特に今後の成長が見込まれるAIやウエアラブル、エッジデバイスの分野では、既存の用途や業界を超えた発想力が求められており、見えないものの価値を想像できる力が重要だ。
ビジネスサイドでも、製品や用途への理解がなければ営業が成立しないため、技術とビジネスの境界が曖昧になりつつあり、営業も技術的な背景が必要な時代に入っている。
実際、マーケティングや企画においても文系出身者が革新的なアイデアを生み出すことは可能であり、重要なのは発想と実現力の両立である。
世界市場との接点も多く、たとえば米西海岸などで最先端のパートナーと商談を行うことも日常的であり、「英語力」や「グローバルな感覚」も求められる。一方で、変化を素早く捉えて動く小回りの利く組織も強く、人材に対しては「ニーズを想像し、自ら提案できる主体性」が期待されている。
総じて、電子部品業界は表面的には見えづらいが、実は最先端の技術や世界市場と直結するダイナミックな業界であり、「熱意と柔軟な思考を持った挑戦者」が求められている。
採用される上で、こうした業界の実態と将来性をいかに把握していくかが鍵となるだろう。