「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、”親が元気なうちに”取り組むことが、何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。

【1500軒以上を片づけたプロが教える】「親が嫌がるから」と遠慮してはいけない、実家片づけの“決行タイミング”Photo: Adobe Stock

実家片づけは「強硬突破」せざるを得ないこともある

もちろん、ベストなのは、親も納得して平穏に片づけを進められることです。

けれども場合によっては強行突破するしかないこともあります。例えば、認知症疑惑がある、自宅介護が始まる、施設に入居するため家を処分するなど期限があるとき

私自身の実家片づけの第2段階「リビングを片づけ、母の介護部屋を作る」も強行突破でした。
父はまったく納得していませんでしたが、押し切りました。翌週には母が病院から家に帰ってくるので、介護部屋を作るためには、父が捨てたくないといったソファーも片づけないわけにはいかなかったからです。

しかし、その父も終わってみればニコニコです。

介護部屋が完成して、ヘルパーさんたちをお迎えしたときに褒められたんですよ。「娘さんが片づけのお仕事をされているから、お父さんも片づけ上手なんですね」って。そうしたら「こうなってるほうが使いやすいでしょう?」と、得意げでした。

これがもし、強行突破していなければ、父は母のベッドの隣のソファで寝起きするしかないので、おそらく体を壊していたでしょう。訪問看護師さんも作業スペースが少なく動き辛いですし、母が毎週楽しみにしていた訪問入浴サービスも諦めていたでしょう。母を最期まで自宅でお世話できたのは、反対する父を押し切って強行突破をして環境を整えたからにほかなりません。

子どもが強い司令塔にならなくてはいけない

ある程度の年齢になってくると、親子が逆転するときがやってきます。脳が老化して、親はちょっとおかしなことを言い始めるからです。そういうときは、「そうだね」と口では言いながらも、子どもは強い司令塔にならなくてはいけません。なぜなら、幸せなゴールを知っているのは私たち子どもだから。

親に「絶対に後悔させない」「損をさせない」というくらい強気になっていいんです。

*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。