「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した、片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。
実家についたらまずすべきこと
年末年始の帰省時は実家片づけのチャンスです。実家に到着したら、お茶でも飲みながらまずは話し合いをしましょう。
ご両親は、「実家片づけをしよう」と事前に言われていたとしても、「なにそれ? なんで?」と、クエスチョンマークが浮かんでいると思います。
特に、お嫁さんが先陣を切っている場合は、「嫁がメスを入れに来た」という感じで身構えているかもしれません。
だから、まずはあなたの素直な気持ちを伝えてください。
・なぜ実家片づけをしたいと思ったのか
・何を不安に思っているのか
・これから、どうすることがベストだと考えているのか
ご両親がどんな暮らしをしたいのか質問し、プランを提案
その上で、ご両親の気持ちを聞いていきます。
「お父さんやお母さんはこれからどんな暮らしをしたいと思っているの?」と。
最期まで家で暮らしたいと思っているのか、あるタイミングで施設に入り家を処分したいのか……など。そして、最期のときまでを見据えた、長期的な実家片づけをプランニングしていきます。
例えば、足腰は弱りつつあるけれど今はまだ元気で、できる限り最期まで家で過ごしたいと思っている親御さんになら、
「第1段階は、まずは大事なモノや紙だけを選別し、不要なものを処分して危険をなくす。第2段階は、足が悪くなったときに2階の寝室を1階に移す。第3段階は、介護が必要になったら、リビングに介護ベッドを置けるように片づけるというのはどうかな? 今回の帰省ではとりあえず第1段階を終えることを目標にしたいんだけど、どう思う?」という感じです。
作戦会議を実りあるものにするポイントは、理想の暮らしを具体的にイメージすることです。間取り図を見せてシミュレーションしたり(P88)、素敵な家の写真を見せたりして、ご両親も想像しやすいようにサポートしてあげてください。
もし、このタイミングで2階の寝室を1階に移すなど部屋割りも変えたほうがよいとなれば、家具の移動などの必要もあります。
この作戦会議で、片づけの目的を認識し、理想の暮らしをイメージできれば、意識が変わります。思い描いた暮らしを手に入れたくなります。そうやって意識が変われば、これから片づけで大変なことがあっても乗り越えることができるでしょう。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。