「レシピ通りに作ったのに、なんだかおいしくない……」そんな経験はありませんか? それは、レシピをシンプルに見せるために、「料理上手なら感覚でわかる」と省かれた大切なポイントがあるからかもしれません。書籍『レシピ未満のおいしい食べ方』では、これまでのレシピ本には書かれなかった、「料理をおいしくするためのコツ」やポイントをわかりやすく解説。さらに、ひとつの食材で作れる料理、火を使わずにできるもの、直感的に作れるシンプルな調理法など、「レシピと呼ぶには簡単すぎる」食べ方を通じて、一生モノの「料理の秘訣」が身につきます。今回はネバネバ野菜。おいしく食べるコツを紹介します。(監修/料理研究家・管理栄養士 藤井恵)

料理研究家・藤井恵さんが教える

レシピ未満のおいしい食べ方Photo: Adobe Stock

オクラ、モロヘイヤ、長いもなどのネバネバ野菜は、普段から意識して食べています。

なぜなら、これらのネバネバは水溶性食物繊維だから。水溶性食物繊維は、便をやわらかくしたり、善玉菌のエサになったりと、腸活には欠かせない成分。

血中のコレステロールを下げてくれる効果もあるので、大人には特に大切です。

私のおすすめは、切って水につける食べ方。水溶性というだけに、水につけると食物繊維が溶け出し、さらにネバネバになるのです。

野菜と水の量は、1:1。例えばオクラなら、さっとゆでて細かく刻み、水に塩少々を加えて、3時間ほどつけます。

そのまま冷蔵庫で3日くらい保存もできるので、まとめて作り置きしても便利です。

ネバネバ、ふわふわを熱々のごはんにのせてしょうゆを垂らせば、思わず笑みがこぼれるおいしさ。水をだし汁にかえるのもおすすめですよ。

レシピ通り作ったのにうまくできない……という人は、サラッと書かれている調理法が、プロにとっては簡単でも、自分にとっては難しいということに気づいていないのかもしれません。「これは、こういうもの」と思わず、もっと簡単にできる方法はないかな? と自分に合う作り方を探してみるといいでしょう。藤井恵さんのレシピが「どんな人でも上手に作れる」と言われるのは、おいしいだけではなく、簡単で、誰もが失敗しづらく、時短になり、しかも必要な栄養素を効率的にとれる料理になっている? と常に考えられているから。レシピとは言えないくらい簡単なコツを知るだけで、驚くほど料理上手に近づけますよ!