東京を便利にするということを、もっとすべきである。例えば移動に関することで、羽田空港と成田空港を統合しコンセッション(運営権の民間売却)を行う。同時に、新幹線を羽田空港に乗り入れる、などが真剣に考慮されて然るべきだ。
巨大すぎる都市・東京は
地方自治法に収まらない
東京について、もう1つの提案をしたい。将来的に、東京を政府の直轄地にするという案である。例えば、アメリカのワシントンDC(コロンビア特別区)のようにするということである。DCは、直流という意味でも使われる。ワシントンDCの人口は約670万人、面積は177平方キロメートルである。中国でも、北京、上海など4つの都市が、政府直轄地となっている。

東京都の人口は約1400万人。2位の神奈川県(約920万人)、3位の大阪府(約880万人)よりも、圧倒的に多い。一方で、人口が最も少ない鳥取県の人口は約55万人。東京都で最も人口が多い世田谷区(約94万人)の約6割に過ぎない。
実は、47都道府県と政府の関係は、「地方自治法」で定められている。「地方自治法」とは、地方自治体で人々が安寧に暮らすことができるようにするための法律である。
ただし、東京都はあまりにも大きすぎる。そして、日本全体の戦略基地を担うという役割を持っている。東京の大きさと機能を考えると、他の46道府県と同じ1つの地方自治法の中に収めるのは、所詮無理がある。東京を直轄地にしようという提案である。
ところで、「東京」というと「東京都全体」か「東京都23区」か「山手線内」か、というような疑問が出ることが予想される。しかし、そういう議論をし出すと絶対にことは進まない。重要なのは、「東京」を戦略的にいろいろなことができるようにする発想である。細かい話は後で考えればいい。「郵政民営化」のときと同じことである。