世界標準のビジネスエリートの話し方は、結論ありきで、直接的(direct)、的を射ている(to the point)、明瞭さ(clear-cut)を大切にする。
なぜなら違いのある人とも対等に話をするためには、「わかりやすさ」「シンプルであること」、もっといえば、誰でもすぐに理解できることが大切になるからだ。
あなたは、誰にでもわかりやすい言語を使っているだろうか。業界だけに通じる言葉、わかりにくい表現、難解な言い回しをしていないかを考えるべきときだ。
相手がわかるように言葉を尽くすのは、互いの距離を素早く縮めるための行動でもある。多様性がある社会における「相手への配慮」と考えればよい。
ぜひ、自分にも「So what?(何が言いたいの)」とツッコミを入れながら、相手にわかりやすく伝えようと心がけてほしい。
すると、副次的によいこともある。
「結論から話す」だけではダメ
そこへ至る「理由」が大事
まず、相手に伝えようとすることで、自分が何を考えているのか、明確になる。
さらに、なぜそう思うかの理由を相手にわかってもらうために、思考が深まる。
「こういう考え方が正しいよね」「相手もきっとこう思っているはず」といった思い込みにも気付かされる。話してみると、「相手が同じ考えではまったくなかった」と発見することも多いからだ。
ディベート文化で気付いたことがひとつある。
人との「違い」があるほど、メリットになるのだ。
どういうことか。

ビジネス現場でも、アカデミック(学術)でも、友人を作るのでも、「自分らしさ」が際立つほど、相手に興味を持ってもらいやすい。
だからこそ、話し方は「結論」だけでなく、なぜそう考えるかという「理由」が大事になる。「あなたらしい意見」「オリジナルの視点」であるほど、相手からすればあなたを知るためのとっておきの情報となるからだ。
「自分らしさ」がそれぞれに異なるのが前提の社会では、相手が年上であろうが、文化が違おうが、違いを認めて面白がってくれる。
「その人らしさ」を受け入れることで、お互いが対等な関係になり、仲良くなりやすい。そのためには、しっかり自分の意見を理由とともに伝えるといい。