スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

いつも「ぼんやりとした疲れ」を抱えている
「なんとなくダルい」
「人と話していても、あまり興味が持てず、話半分に聞いてしまう」
そんな“ぼんやりとした疲れ”を抱えている若者が、いま増えています。
SNSや動画、最新のトレンドにずっと目を配り、移り変わる話題についていこうと頑張る毎日。
気づけばスマホを手にしたまま何時間も経っていた……という経験もあるのではないでしょうか。
その最大の原因は、「自分が回復するための時間」を持てていないことかもしれません。
「誰かとつながっているつもりなのに、どこか孤独」
「誰かとつながっているつもりなのに、どこか孤独」
そんな矛盾を抱えながら暮らしている若者は少なくありません。
・SNSの投稿には「いいね」がつく
・配信を見ながらコメントを交わす
・トレンドをいち早くチェックする
これらは“誰かと関わっている感覚”を与えてくれる一方で、実際には深い交流がないこともしばしばです。
「SNS疲れ」や「ルッキズムの加速」が嫌になって、スマホやSNSから距離を置こうとするけれど、つい頭の中ではそのことを考えてしまう……。
SNSに固執したくない。でも、ゆるやかな承認欲求は手放せない。
あるいは、自分は気にしないようにしていても、他人のたった一言が心に刺さり、なかなか傷が癒えない……。
つまり、脳は刺激で疲れ果てているのに、心は休めていない。
その“ズレ”こそが、若者の慢性的な疲れを生み出しているのです。
そして、そうした疲れから逃れるように、90年代や昭和レトロといった“懐かしさ”への回帰が流行しているのも、偶然ではないのかもしれません。
「SNS疲れ」や「承認欲求」に振り回されていると感じたとき、まさに“依存ビジネス”の中心にいた元グーグル社員が実践していた方法があります。では、どうすればよいのでしょうか。
仲間とすごす
そんなとき元グーグル社員が実践していたのは、仲間とすごすという戦術です。
「仲間とすごす」とは、自分の声を使って誰かと本当の会話をすることだ。
投稿にコメントしたり、いいね! を押したり、テキストや絵文字をやりとりすることじゃない。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より
本当に疲れを癒してくれるのは、情報ではありません。人との「親密な時間」です。
LINEでもSNSでもなく、直接会って声を交わすこと。
雑談でも、目的のない会話でもいいといいます。
「声に出して人と話す」だけで、体がふっと緩み、心も穏やかに整っていきます。
自分が疲れていることに鈍感になっている可能性も
新しい情報を追い続けることや、トレンドに詳しくあること自体が悪いわけではありません。
でも、それが「自分の疲れ」に鈍感になる原因になっているなら、立ち止まってみる必要があります。
「誰かとちゃんと話したの、いつだったっけ?」
「声を出して笑ったの、最近あったかな?」
そんな問いかけから始めてみてください。
疲れを癒すには、コンセントを抜くように、“つながりすぎ”を一度とっぱらうことが大切です。
そのうえで、人との「本物のつながり」を、もう一度見つめ直してみましょう。
(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)