年収500万円で気持ちの余裕を持つか、年収1500万円で激務に耐えるか?

多くの人が「人気で安定した大手企業に就職すること」を就活の唯一無二の価値だと捉えています。

ですが、僕はカゴメ株式会社に就職したは良いものの、就活法を広めたいという思いで退職、退職直後の2年間は、稼ぎはなく、週末に派遣のバイトで食いつないでいました。

あのときは「超人気の超安定企業に就職できたのに」と、辞めた自分を恨んでいたのですが、就活専門サイトを7年間運営して気づいたことがあります。

世間でいう「良い会社」に入れなくてもいい。大事なことは自分にとって「良い会社」に入ることです。

知り合いに、超人気の総合商社に就職した人がいます。ですが、彼は心身ともに疲れてしまい退職。その後、地元の中小企業に就職しました。年収は1/3になったそうですが、気持ちの余裕は10倍楽だと言います。どちらが幸せなのでしょうか。お金か、気持ちの余裕か。そこに正解はありません。

「企業の選び方」を学ばずに就活を始めようとすると、どうしても安定傾向にある大手企業ばかり受けたくなります。なぜなら実際に中小企業よりも大手企業の方が安定しているからです。厚生労働省の3年以内の離職率の調査でも、従業員数の規模が大きければ大きいほどに平均の離職率が低いことが分かっています。

だからこそ、人気の大手企業を狙うことは非常に合理的ですが、一方で自分に合う企業がどんな企業なのかも考えることが大切です。それによって中堅・中小企業も視野にいれることができれば、当然ですが倍率が1/10、1/100となるので内定が取りやすくなります。

世間的に言う、「良い会社に入れた」だけでなく、「自分にとって良い会社に入れた」も同時に狙う。同じような偏差値の高校を2校、3校しか受けられない高校受験とは違う、就活の面白さがここにあります。

結果と過程、どちらも大切

世の中でよく議論になる、「結果」か「過程」かという話がありますが、結論としてはどちらも大切です。良い結果は、高い満足感やメリットが得られます。一方で、結果が出ずとも真剣に取り組んだ過程では、得られるものがあります。

就活は、結果と過程の両方を取りにいく。そして仮に満足いく結果が出なくても、過程を通して得た知識や経験・スキルによって、転職などの手段を使い、後々軌道修正して良い結果を掴む。これが最適な考え方だと思います。

 (本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです)