まずは3〜6カ月
働きかけを続けてみる

 3〜6カ月ぐらいは、取り組みを続ける必要があると思います。しかし、1年以上、働きかけ続けても、本人が変わらないのであれば、それは企業として決断のときです。企業は営利団体であり、また職場の他のメンバーの働きやすさに対する影響も考慮しなければなりません。

 その人が会社に居続けたいなら、最低限のことだけでなく、ふさわしいコミットメントをしてもらわなくてはならないし、そのつもりがないなら、退職へと背中を押す必要があると思います。

 非常に重い決断であり、むろん、そこに至るまでには、十分な期間をかけて適切な支援を行うことが前提となります。

 こうした働きかけについて、たかが個人のわがままに大きなコストをかけすぎていると思われるでしょうか。いえ、「静かな退職者」が変わることで、職場は確実に「サムい職場」から徐々に温かくなっていきます。

 最終的に、前回お話したような「学習する職場」になれば、誰もが働きやすくなり、生産性が上がります。「静かな退職者」を放置しないことは、職場全体にとって十二分に意味のあることなのです。

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