「腸内環境を整えること」は
美容業界でも注目されている

 こうした最新の研究によって、老化抑制効果などといった便秘解消に留まらない発酵性食物繊維の新しい効果が注目されています。最近特に関心が高まっている領域が「内側からのアプローチ=インナービューティ」です。

 腸と肌のつながりに注目した取り組みが広がっており、腸内環境を整えることが美容にも良い影響を与えるという視点が、美容業界でも定着しつつあります。

 腸内細菌によって発酵される発酵性食物繊維は、腸内環境を整えるだけでなく、美容をサポートする働きも期待されはじめています。腸活は、従来「善玉菌を外から摂取する」時代でしたが、これからは自分の腸内にいる常在菌に「良い働きをしてもらう」時代へ。腸内細菌たちに、美容や健康に良い成分を作り出してもらうことが、腸活の新しいアプローチと考えられます。

 発酵性食物繊維を継続的に摂取した場合の肌の変化を検証した最新の試験によると結果として、シワやキメ、毛穴などに変化が見られました。

 30~40代の皮膚や腸内環境に関する悩みを抱える女性14人に、発酵性食物繊維12gを含むドリンクとスイーツを6週間摂取してもらったところ、以下の効果が確認されました。

1 シワの数が減少
2 肌表面の凹凸の数が減少→キメが整う
3 目立つ毛穴の数が減少
4 「肌バリア」と「肌のキメ」の向上

 (出所)発酵性食物繊維普及プロジェクト
 

 今回の試験を行った皮膚科医の山﨑まいこ氏は、次のように語っています。

「日頃のスキンケアに発酵性食物繊維の継続摂取を加えたことで、6週間という比較的短期間でも、肌に明らかな変化が見られました。具体的には、肌のバリア機能が向上し、キメやシワ、毛穴の状態が整ってきたことがデータにも現れています。キメや毛穴が整うと、肌に自然な“立体感”と“みずみずしさ”が生まれます。また、今回肌年齢が平均でマイナス1歳、最大でマイナス7歳(49歳→42歳)という結果が出ました。これはまさに、内側からのケア=インナーケアの価値を再確認するものでした」

 このように私たちにさまざまな健康効果をもたらしてくれる発酵性食物繊維ですが、その効果を継続して得るためには、日々の食事を見直すことが重要です。

 例えば、主食を雑穀に変えてみる、野菜も根菜類を多めにする、きのこや海藻を積極的に取り入れるなど、まずは毎日の食事を、発酵性食物繊維を含む食材に切り替えてみましょう。

 また、「毎日+3gの摂取」を目指すために、発酵性食物繊維が配合された飲料や菓子などの商品で、足りない量を補うことも合わせて、日々の食生活を改めて見直してみることが重要なのではないでしょうか。

(インテグレート代表取締役CEO 藤田康人)