「家も子どもも年収も」→それ、全部ないと幸せじゃないの?
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

不安な人に共通する思い込み
今日は、「人生は何かを揃えるゲームではない」というお話をしたいと思います。
これまで多くの人と接してきて、不安やモヤモヤを抱えている方々に、ある共通点があることに気づきました。
それは、「人生には、これとこれとこれが揃っていなければいけない」と思い込んでしまっていることです。
揃えるべき「チェックリスト」に縛られていませんか?
たとえば「お金」「仕事」「結婚」「子ども」「家」など、人生において揃えるべき“パーツ”がたくさんあると思い込んでいる方は多いです。
そしてそれらを、一定のレベルで満たさないと「自分の人生はうまくいっていない」と感じてしまうのです。
まるで人生をチェックリストで評価しているかのように、「これはある?」「これはまだ?」と自分に問いかけては、チェックがつかないことに不安を抱えてしまう人がたくさんいます。
チェックが全部埋まったら、幸せになれるのでしょうか?
でも、もしそれらの項目がすべて満たされたとして、それで本当に幸せになれるでしょうか?
おそらく得られるのは、「全部揃ったぞ!」という一時的な満足感、つまり自己満足にすぎません。
それに、そもそも人生で全てのパーツを手に入れるなんて、ほぼ不可能です。だからこそ、揃わなかったことにモヤモヤしたり、自分を責めたり、執着してしまうのです。
人生はフルハウスを目指すゲームではない
人生はポーカーのように「フルハウス」や「ロイヤルストレートフラッシュ」を狙うゲームではありません。
自分にとって大切な一枚、たとえば「スペードのエース」が手元にあれば、それだけで幸せを感じられることもあります。
見方を変えれば、「全部赤い札で揃ったらきれいだな」と思う人もいるでしょうし、そもそも「カードなんていらない」と思う人もいるでしょう。
つまり、自分の価値観で「どれが大事か」を決めていいのです。
欲しいものを本当に見極めると、意外と少ない
人生を見直すとき、まるで全員が同じ答案用紙と模範解答を配られているかのように感じている人がいます。
でも、それは幻想です。本当に自分が欲しいものは何なのか――それを深く掘り下げて考えていくと、実はその数はぐっと減ります。
そして、そのレベルまで削ぎ落としていくと、「あれ?それ、もう自分は手に入れてるかも」と気づくことも少なくありません。
すでにある幸せに気づくために
必要だと思い込んでいたものの多くは、実は不要かもしれません。
そして、本当に必要なものは、もうあなたの手の中にあるかもしれないのです。そんな視点で、ぜひ自分の人生を見つめ直してみてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。