「なんで自分だけ伸びない?」→それ、むしろ“強さの証拠”かもしれません
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信念で動く人と、小手先で動く人の違い
今日は「信念は小手先に負けない」というテーマでお話ししたいと思います。
どんなジャンルにも共通していますが、「人の役に立ちたい」「社会を良くしたい」といった信念を持って行動している人がいる一方で、「とにかく有名になりたい」「稼げれば何でもいい」といった動機で動いている人もいます。
後者は、あたかも信念があるかのように見せかけながら、実は表面的なテクニックや戦略――いわば“小手先”で何とかしようとするのです。
小手先の人は器用に見える
小手先で立ち回る人は、文字通り「手先」が器用です。
だからこそ、動きが早く、成果を出しているように見えます。テンポも速く、要領も良いため、ぱっと見たときには「すごい人だな」と思われやすいのです。
それに対して、信念を持って行動する人は、どこか不器用に見えることもあります。そのため、器用に見える小手先の人と比べて、自分はダメなんじゃないか……と落ち込んでしまうこともあるでしょう。
小手先の強さには限界がある
でも、ここで知っておいてほしいのは、「小手先の強さには限界がある」ということです。
一時的に華やかに見えても、それが長く続くことはあまりありません。小手先で勝負している人たちは、そもそも“持続”を目的としていないことも多いのです。
時間が経つと、信念のない行動は“化けの皮”が剥がれてしまいます。
信念は時間がかかるけれど、強い
一方、信念をもって進んでいる人はどうでしょうか。
成長には時間がかかりますが、いったん芽が出ると、それはしっかりと根を張り、長く続いていく力になります。
最近、私はスマホで簡単なシミュレーションゲームをやっているのですが、そこにも同じような構造があります。
最初から即戦力として活躍できるキャラクターは、確かに序盤は強いのですが、あまり育たなかったり、体力が低かったりします。
逆に、なかなか手に入らなかったり、最初はあまり強くないキャラクターが、じっくり育てることで圧倒的な力を発揮する――そんなケースもあるのです。
「瞬発力タイプ」と「持続力タイプ」
これは人間にも当てはまります。最初から注目を集めてぐんぐん伸びる「瞬発ウサギさんタイプ」と、じっくり力を蓄えて後半に伸びる「カメさんタイプ」がいます。
信念を持って進んでいる人は、往々にしてスタートダッシュが遅くなりがち。だからこそ、周囲の小手先でうまくいっているように見える人たちを見ると、焦りや迷いが出てくるかもしれません。
でも、そこで「自分はやっぱりダメだ」などと結論を出すのは早すぎます。
信念を持つ人は、最終的に伸びていく
信念というのは、育つのに時間がかかるものです。しかし、その分しっかりと根を張り、後々大きく伸びていきます。
小手先で成果を出している人たちは、どちらかというと「エゴ」を原動力にしていることが多いものです。
そしてそのエゴを隠すために、いかにも信念があるかのような言動をとることもあるのですが、それは本物の信念とはやはり違います。
迷わず信念を貫いてください
ですから、あなたが今、信念を持って何かに取り組んでいるのなら、それでいいのです。焦ることなく、その道を進んでいってください。
もちろん、「よくよく考えたら自分には信念がなかったな」という人がいるかもしれません。でもそれでも大丈夫です。
最初は何となく始めたことが、途中から「これは自分にとって大事なことかもしれない」と気づくこともあります。
その中から、自分の本当にやりたいこと、価値のあることを見出していけばいいのです。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。