「Fランク大学問題」は思っているよりも複雑

――なるほど。Fラン大は、いろいろ事情はあるけど、頑張りたいと思っている子の受け皿にもなっているわけですね。

びーやま:そうです。もちろん、それでもちょっと勉強すればFラン大以上に入れたりはするんですが、具体的な例を出すと地方で家族の介護も手伝いながらの進学だったりすると、家の近くの大学しかいけないわけです。

 偏差値的にはもっと上の大学にいけるけど、一番近い大学じゃないといけない。でも地方の私立だから大学のレベルは高くないみたいなことはあるわけで、それを度外視してしまうのは違うのかなと。

 結局、「Fラン大はいらない!」みたいなのは都会の理屈なところがあって、通学圏内に上から下までのレベルが揃っているから言えることなんじゃないかなと。言っていることは間違っていないものの、あまりにも極端すぎると思います。

――ですが、「Fラン大に進学するくらいなら通信制大学のほうがマシ」みたいな声もあるように思うのですが、その点はいかがですか?

びーやま:それも論理的には正しいんですが、大学選択は「18歳の高校生」がする決断であることを忘れてはいけません。通信のほうがいいとはわかっていても、やっぱりキャンパスライフに憧れるじゃないですか。人生の大きな選択なだけにロジックだけでは語れないと思うんですよね。

 なので、これも理解はできるんですが、それは社会の仕組みを知った大人だからこその意見なのかなと少し思います。

――よく理解できました。だから、びーやまさんはFラン大を否定しつつも、一部肯定しているわけですね。

びーやま:そうです。

 もちろん、ほかに選択肢があるならばそれがいいと思います。ただ、そうもいかない人はいるわけで、そこのバランスは必要かなと。

 加えて、そういった事情でFラン大にいる人はぜひ頑張ってほしいです。Fラン大でも正しく努力をして、その後の人生で成功を収めた人はたくさんいますから、まわりの雑音は気にせず自分のことに集中してほしいです。応援しています。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。