親たちの中にはお店をはしごしてなんとかおもちゃを手に入れた人もいたでしょうし、場合によってはメルカリで子どもが欲しがるおもちゃを確保した人もいると思います。その場合、むしろ「メルカリが存在してくれてありがとう」と感じるのではないでしょうか。
そして今日もまた、ハッピーセットを手に入れるために8月8日よりも早起きしてアプリで予約してお店に向かう親も少なくないはずです。なぜならそれが親心というものだからです。
ではハッピーセットを手に入れた子どもたちは?それを一生ものとして大切にしまうことはしません。子どもはコレクターではないのです。また次のハッピーセットの告知がはじまると「あれ欲しい」と親にねだるのです。
そしてこうやってハッピーセットを子どもたちが親にせがむとどうなるか?このことによって毎年、大量の子どもたちがマクドナルドのハンバーガーとコカ・コーラ、フレンチフライのファンになっていきます。これが10年後、20年後の日本マクドナルドの売り上げを支えるのです。
このエコシステムがあるからこそ、マクドナルドが「やる気のない対策」を打ち出す理由が理解できます。本当に転売ヤーをなくすためならハッピーセットを2990円にするか、やめてしまうのが抜本的な対策です。
でも今日もハッピーセットは510円から買うことができます。一度のオーダーは厳密に3つまでと決められるので、転売ヤーの元締はバイトをこれまでの10人から100人に増やして対応します。ハッピーセットを手に入れられなかったお父さん、お母さんはメルカリの存在に感謝します。店員の疲弊という犠牲の代わりに、今日も新しい子どもたちがマクドナルドのファンになることでしょう。
こうした理由から、これからもちょっとだけ改善した「おなじこと」が繰り返されていくのです。