元ネスレ日本CEOの高岡浩三氏は、経済3団体の“提言止まり”体質こそが日本企業の停滞を長引かせたと指摘する。法改正を待つのではなく、企業自らがリーダーシップを発揮して変革を進めるべきだったのだ。経団連・商工会議所・経済同友会といった財界組織は、なぜ「失われた35年」に終止符を打つことができないのか。特集『高岡浩三の「企業の通信簿」』の本動画では、ガバナンス不全、株主軽視、働き方改革の遅れといった課題を浮き彫りにしながら、日本企業が世界で取り残される構造を明らかにする。さらに、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入事例や、海外企業との比較を通じて、未来に向けた改革の方向性を提示。経済界のリーダーに求められる覚悟と行動を問い直す。
“提言止まり”が招いた日本企業の停滞
「動かない経済3団体」が損なった信頼
日本経済団体連合会(経団連)、日本商工会議所(日商)、経済同友会の経済3団体はこれまで数多くの政策提言を行ってきた。
しかし、その多くは自ら実行に移されることなく、政府や制度改正に委ねられてきた。そこには、株主や社会に対する説明責任を十分に果たさず、リスクを取って変革に踏み込む姿勢の欠如がある。結果として、ジャニーズ問題やビッグモーター不祥事に象徴されるように、企業不祥事への対応も後手に回り、財界全体の信頼を損なった。
日本企業はどうすれば主体的に「稼ぐ力」を取り戻せるのか。
高岡氏が語るのは、提言にとどまらず、行動で未来を切り拓くための具体的処方箋だ。
高岡浩三(たかおか・こうぞう)
1960年生まれ。83年神戸大学経営学部卒業後、ネスレ日本入社。30歳で同社史上最年少部長に昇格。「キットカット」受験キャンペーンを成功させ、受験生の定番のお守りになるよう普及させた。2010年よりネスレ日本代表取締役社長兼CEO。オフィス向けの「ネスカフェ アンバサダー」を立ち上げ、新たな市場を開拓。20年3月、同社を退社。サイバーエージェント社外取締役。主な著書に『企業の通信簿』『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)、『ネスレの稼ぐ仕組み』(KADOKAWA/中経出版)、『世界基準の働き方』(PHP研究所)など。
1960年生まれ。83年神戸大学経営学部卒業後、ネスレ日本入社。30歳で同社史上最年少部長に昇格。「キットカット」受験キャンペーンを成功させ、受験生の定番のお守りになるよう普及させた。2010年よりネスレ日本代表取締役社長兼CEO。オフィス向けの「ネスカフェ アンバサダー」を立ち上げ、新たな市場を開拓。20年3月、同社を退社。サイバーエージェント社外取締役。主な著書に『企業の通信簿』『ゲームのルールを変えろ』(ダイヤモンド社)、『ネスレの稼ぐ仕組み』(KADOKAWA/中経出版)、『世界基準の働き方』(PHP研究所)など。
Key Visual by Kaoru Kurata, Hitomi Namura