デキる上司のズルい一言写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事をしていると「根回し」という言葉をよく耳にします。この言葉にネガティブなイメージがある人もいるかもしれませんが、仕事を効率よく進める上では欠かせないアクションの一つです。なぜ根回しが重要なのでしょうか。また、仕事ができる人は、どのように根回しを進めているのでしょうか。(ギックス共同創業者 田中耕比古)

「偉い人の脳みそ」を
賢く使い倒すコツ

 前回は、会議のための資料づくりを「偉い人」の理解速度を上げるための手段として考えると、しっかり時間をかけてでも準備する価値がある、というお話でした。

 その中で述べた、

偉い人、つまり、高単価な人の脳みそを最大限に使い倒すのが、会議の時間を有効に利用するための最大のポイントなのです。

 という部分について、今回はさらに掘り下げていきたいと思います。

大きな決定をする会議に
ぶっつけ本番で挑むのは無謀

 前回、役職者、つまり、ポジションが高い人は、時間単価が高いというお話をしました。

 給料が高くなるのに伴って、権限と責任が大きくなります。

 むしろ、大きな責任を背負い、それを果たすために強い権限を保持しているため、給料が高いわけです。

 それはつまり、ポジションが上がるほど、影響度の大きい判断をするということです。難しい判断を迫られるため、簡単には合意形成ができなくなります。

 そういう人が、複数人、同じ場所にいるのが「会議」です。

 そんな状況では、さらっと口頭でOKをもらうことはできず、関係者を一堂に集めた大がかりな会議を設定し、その場で、合意し、決裁をとっておくことになります。

 大きな決定をする際には、事業部長や役員を含む経営陣が複数人、会議に参加します。そういう場に、ぶっつけ本番で臨むのは無謀と言わざるを得ません。

 いわゆる「根回し」が必要になります。