【最強の暗記法】一度覚えたら忘れない「超すごい仕組み」とは?
働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、メソッドの一部を公開します。

一度覚えたら忘れない「超すごい仕組み」とは?
本日は、一度覚えたら絶対忘れない「暗記法」についてお話しします。
私は、働きながら9つの資格に独学合格しましたが、法律を誰かに教わったこともなければ、予備校に通ったこともありません。完全に市販の参考書だけで、独学で学び続けてきました。もともと特別な資格を持っていたわけでもなく、学習が得意なタイプでもありませんでした。そんな私だからこそ、勉強が苦手な人の気持ちは本当に、心の底からわかります。覚えるのに苦労したことも、続けるのがしんどかったことも、何度もあります。
そんな自分が、どうすればもっと効率的に、より多くのことを覚えられるかを必死で模索しました。いろんな学習法に関する本を読みあさり、動画やブログも調べました。けれど、出てくる情報の多くは、元から“できる人”向けなんですよね。書いているのは、高学歴で記憶力が良く、学ぶことに慣れている人たち。そういう人の勉強法は、あくまで「できる人が、より効率よく学ぶ」ための方法であって、本当に勉強が苦手な人にはなかなかフィットしない。私も実際、それで一度つまずきました。
そこで出会ったのが、“落語家の記憶法”です。私は落語ファンだったわけでもなく、たまたま調べていてたどり着いたのですが、「これだ」と直感しました。落語というのは非常に長い話を、何のメモも見ずに一言一句覚えて、抑揚をつけて語らなければいけないわけです。しかも、落語家の方は必ずしも勉強が得意な人ばかりではありません。それでも全員、確実にあの長文を覚える。どうやって覚えているのか。そうして見つけたのが、立川談笑さんという落語家の方の記憶法でした。
ポイントは「忘れる前に思い出す」
彼が行っていた方法は、まさに私が今オススメしている「大量記憶法」の原型です。この方法の核心は、「どうやって覚えるか」ではなく、「どうやって忘れないようにするか」。つまり、“忘れない”を設計するのが学習の本質だと気づいたのです。
記憶とは、ただ覚える作業ではなく、記憶の保持にこそエネルギーを注ぐべきもの。今日覚えたことを明日思い出す、明日また思い出して、明後日も思い出す――そうすることで、記憶は脳に定着していきます。この一連のサイクルを、計画表として可視化し、繰り返し復習する。それが大量記憶法です。詳しく知りたい方は、拙著『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』をご確認ください。

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この方法を宅建試験用に応用し、自分に合わせたスケジュールを作って実践したところ、翌年すぐに合格できました。しかもそれだけではなく、その後も応用して、結果的に9つの資格を取得することができたのです。もともと記憶が得意でなかった私が、一度も不合格になることなく試験に受かるようになった。それは、学び方を根本から見直したからです。
ただし、大量記憶法だけでは不十分です。これとセットでやらなければいけないのが「過去問の活用」です。過去問を通して問われる“点”を覚えるだけではなく、その周辺の知識も含めて理解しなければ、本試験には対応できません。覚えた知識が「点」で終わるのではなく、「面」になるように。過去問の周辺知識を広げながら、大量記憶法でその知識を定着させる。これが、合格に最も近づく学習法なのです。
このやり方は、宅建試験だけでなく語学や他の資格試験にも応用できます。実際、私はフランス語の試験でもこの方法を使って3級を取得し、現在は韓国語にも挑戦中です。ただし、司法試験のような超高度な試験になると、また別の戦略が必要かもしれません。それでも、宅建試験レベルであれば、この方法で十分戦えます。
毎日続けることが大事!
そして、皆さんに強くお伝えしたいのが、「とにかく毎日、続けてほしい」ということ。疲れている日は量を減らして構いません。無理をしてはいけません。でも、“ゼロ”にはしないでください。私はディズニーに行った日でさえ、帰宅して夜11時過ぎでも少しだけ勉強しました。1日でも空けてしまうと、意識が離れてしまいます。それを防ぐためにも、ほんの5分でもいいので、宅建に触れてください。
宅建試験というのは、決して超えられない壁ではありません。司法試験のように絶望的に高いハードルではなく、“努力で超えられる高めのハードル”です。だからこそ、合格したときの喜びは大きい。ぜひ、今年その喜びを一緒に味わいましょう。
(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の一部抜粋・加筆したものです)