【働きながら3年で、9つの資格に独学合格】超集中力が身につくメソッド
働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、メソッドの一部を公開します。

【働きながら3年で、9つの資格に独学合格】超集中力が身につくメソッドPhoto: Adobe Stock

独学合格を支えた「超集中法」とは?

 本日はとっておきの集中法をご紹介します。

 試験に合格するためには、膨大な知識を身につけることが求められますが、それだけでは不十分です。本番の試験会場で、自分の実力を「100%発揮できるかどうか」が、合否を大きく左右するからです。どれだけ勉強しても、本番で集中力を欠けば、実力を発揮できずに終わってしまうことも珍しくありません。だからこそ、知識の習得と同じくらい「集中力を鍛える」という視点が大切になってくるのです。

 試験当日は、思いがけないアクシデントが起きることもあります。会場の外で工事の音が響いていたり、隣の受験生が記念受験でふざけていたり、急に咳をしはじめたり、居眠りを始めたりすることだってあるのです。そうした想定外の事態に出くわしても、自分のペースを崩さず、冷静に試験問題に向き合えるかどうか。それが本番でのパフォーマンスに直結します。

 このような集中力は、直前になって慌てて鍛えられるものではありません。日々の学習の中で、「どんな環境でも集中する」訓練を積み重ねておくことが必要です。

勉強する場所を限定しない

 では、具体的にどうすれば「どこでも集中できる状態」を作れるのか。

 まず意識してほしいのは、「勉強する場所を限定しない」ということです。自宅の机、図書館、静かなカフェ。もちろん、そうした環境での勉強は快適ですし、大切な時間です。しかし、それだけでは“本番の不確定要素”に対する耐性が育ちません。

 社会人になってからの学習は、学生時代のように“整った環境での学習”が中心ではありません。あらゆる場所、あらゆるタイミングで学習する力が求められます。たとえば、駅のホーム、コンビニのレジ待ち、満員電車の中。こうした“落ち着かない環境”でも、自分の思考を切り替え、すっと集中できる状態が理想です。

 そのための武器が「耳を使った学習」、つまり“耳学”です。Bluetoothイヤホンを活用し、問題集やテキストの内容を自分の声で録音し、それを繰り返し聞く。これが、最も実践的で効果的な集中力強化法のひとつです。音声なら、満員電車の中でも、家事の最中でも、買い物の待ち時間でも、どこでも学習ができます。しかも繰り返すことで、無意識のうちに選択肢の構造や重要語句が頭に残るようになります。

音声学習のメリット

 特に効果的なのは、こうした音声学習を「日常のあらゆるスキマ時間に習慣化」していくこと。たとえば、洗い物をしているとき、洗濯物を畳んでいるとき、病院の待合室にいるとき。さらには、配偶者の買い物に付き合っている時間も活用できます。自分の世界に没入し、どんな騒がしい場所でも問題文が聞き取れ、理解できるようになる。この感覚を身につけておくと、本番で環境に左右されることが一気になくなります。

 ポイントは、「答えを当てる」ことを目的にするのではなく、「選択肢の意味をその都度理解する」ことを意識することです。そして、選択肢だけでなく、その周辺知識も同時に思い出せるようになれば、なお効果的です。音声で何度も聞き込みながら学習することで、長い文章のどこに注意を向けるべきか、どこで区切って理解すべきかが、徐々に感覚として身につくようになります。

 このような学習習慣は、自分自身の“自信”にもつながります。「私はどんな場所でも集中して勉強できた」という積み重ねが、本番の不安や緊張を和らげてくれるのです。実際、私自身も過去に9回以上資格試験を受験してきましたが、最初は緊張で集中できなかったこともあります。それでも経験を重ねることで、多少のトラブルや周囲の雑音に惑わされない集中力が身につきました。

 宅建試験は、とても人気のある資格試験です。その分、受験者層も幅広く、記念受験のような方もいます。どんな人が隣に座るかは、誰にも選べません。しかし、あなた自身の集中力は鍛えることができます。静かな場所でしか集中できない、という状態では本番で大きなリスクを抱えてしまう可能性があるのです。

 今からできる準備として、ぜひ“環境を問わずに集中できる習慣”を身につけてください。それが、知識を身につけることと同じくらい大切な、本番で勝つための鍵になります。Bluetoothイヤホンを片耳に差し、あなたの耳から知識を叩き込みましょう。どこにいても集中できる状態をつくる――それが、あなたを確実な合格へと導く力になるはずです。

(本原稿は、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の一部抜粋・加筆したものです)