歴史に登場する35人が教える――正解のない時代を生き抜く思考術
【悩んだら歴史に相談せよ!】続々重版で好評を博した『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)の著者で、歴史に精通した経営コンサルタントが、今度は舞台を世界へと広げた。新刊『リーダーは世界史に学べ』(ダイヤモンド社)では、チャーチル、ナポレオン、ガンディー、孔明、ダ・ヴィンチなど、世界史に名を刻む35人の言葉を手がかりに、現代のビジネスリーダーが身につけるべき「決断力」「洞察力」「育成力」「人間力」「健康力」と5つの力を磨く方法を解説。監修は、世界史研究の第一人者である東京大学・羽田 正名誉教授。最新の「グローバル・ヒストリー」の視点を踏まえ、従来の枠にとらわれないリーダー像を提示する。どのエピソードも数分で読める構成ながら、「正論が通じない相手への対応法」「部下の才能を見抜き、育てる術」「孤立したときに持つべき覚悟」など、現場で直面する課題に直結する解決策が満載。まるで歴史上の偉人たちが直接語りかけてくるかのような実用性と説得力にあふれた“リーダーのための知恵の宝庫”だ。

なぜ経営コンサルタントが世界史の本を書くのか?
「なぜ、経営コンサルタントが世界史の本を書くの?」
そう思われた方がいらっしゃることでしょう。けれども、私にとってはごく自然なことなのです。
経営現場で痛感した「正解はない」という事実
私は経営コンサルタントとして、多くの企業の経営者や現場のリーダーと向き合ってきました。そのなかで強く感じているのは、「人を動かす仕事」に正解はないということです。
市場環境は常に変化し、人も組織も思い通りには動かない。そんな状況下で成果を出すためには、自分のなかに「判断の軸」となるものを持つ必要があります。
歴史が私にくれた「判断軸」
その軸を私に与えてくれたのが、「歴史」だったのです。
小学生時代から歴史が好きだった私は、日本史・世界史を問わず、伝記や戦記物を夢中で読みあさっていました。しかし、当時は「ただ好きなだけ」で、将来の仕事と結びつけることまでは考えていませんでした。
やがて私は大学(法学部)へと進み、その後ビジネスの世界へ。そして今、経営コンサルタントとして現場に立つなかで、かつて読んだ歴史上のリーダーたちの姿勢こそが、現代にも通じる知恵となることを痛感する日々が続いています。
「歴史に学ぶ」とは何か
「歴史に学ぶ」とは、単に事件の年号や結果を覚えることではありません。
重要なのは、そのリーダーがどのような状況で、どのような判断を下したか――つまり、「人間の思考」にこそ学ぶ価値があるのです。
人を導く立場にあるすべての人へ
「あのとき、なぜそう判断したのか?」を追体験する本書を読んでいただきたいのは、おもにビジネスにおけるリーダー層です。
経営者やマネージャーだけでなく、小規模なチームを率いるリーダー、あるいは部門を支えるキーパーソンなど、役職に関係なく「人を導く立場にあるすべての人」に向けた内容になっています。
リーダーに求められる“3つの役割”
リーダーに求められる役割は、大きく分けると次の3つになります。
❶ 組織が進むべき方向を示し、計画を立てる
❷ 資源(人・モノ・カネ・情報)をどう使うか決める
❸ 計画に基づいて、実際に成果を出す
つまり、リーダーとは、「計画を立て、判断し、行動して結果を出す人」です。そして、判断や行動の精度を高めるうえで、歴史上のリーダーの思考に学ぶことは、きわめて有効なトレーニングになります。