学歴フィルターはなぜ存在するのか
――時代背景などは理解できたのですが、「大卒」という言葉には「大学で何を学んできたか」というニュアンスも含まれているように感じます。その意味では、大学名だけではなく、大学入学後に何をしたのかを見るのも大事なように思うのですが、その点はいかがでしょうか。
びーやま:僕もそう思いますし、世の中が「大学でなにを学んだか」を軽視しているとも思いません。
一般的に学歴がもっとも効力を発揮するのは新卒採用時の学歴フィルターですが、これさえ突破すればあとは面接ですから、そこでは「大学でなにをしてきたか」などが重視されていますよね。あくまで、学歴は入口管理だけとでもいうか。
実際に理系の就職とかだと大学の偏差値以上に学んできたことが重視されたりしていますから、「偏差値的な学歴」に極端に傾いているとは思いません。
――その最初の「学歴フィルター」はどうして存在するのでしょうか。
びーやま:僕も企業の人事ではないので、詳しいことはわからないですが、「学歴フィルター」がないと膨大な数の学生を見切れないからだと思います。
なので、「学歴フィルターにかけるぞ!」と積極的に導入している企業はないんじゃないかんと。あくまで「やむをえず」というのが実態だと思います。
加えて、その判断を偏差値的な学歴に置いているのは、ある程度の偏差値がないと高度な勉強や研究ができていないと考えるからではないでしょうか。
たとえば、Fラン大学の授業は分数の計算やbe動詞からはじまることもあります。こういった大学の4年間で高度な勉強をしたとは判断しづらいですよね。同じように、Fラン大とは言わなくても偏差値の低い大学だったら、「研究とはいっても基礎学力が低すぎるとね」となってしまうのは仕方のないことかと思います。
なので、ある程度偏差値も見られる現状の形になっているんだと思います。
――よく理解できました。最後に学生へのメッセージはありますか?
びーやま:世の中の仕組みにはなにかしらの理由があります。不満を感じてしまうこともあるかとは思いますが、まずは冷静に「どうしてそうなっているのか」を考えてみてほしいと思います。
その背景さえわかれば、社会でどう戦っていけばいいかの戦略も決まります。ネガティブなことこそ、冷静に考えて成長に変えていきましょう。
――ありがとうございます。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。