“今日の蘭子”に目を奪われても――のぶ(今田美桜)が朝ドラの「主役」である理由【あんぱん第108回】

主役として堂々と構えるのぶの存在感

 昨日、今日、『あさイチ』では、蘭子のことでもちきり。蘭子がやけにきれいになって、匂い立つような色気を放っているから、話題にしてしまうのは無理ない。だが、のぶのことももっと言葉にしてほしい。

 先日、筆者が『あさイチ』の制作統括に取材をしたとき、博多大吉さんは話題のバランスをとるように気配りしているという話が出た。そんな大吉さんすら、華丸さんが2日続けて蘭子の話題を熱く語ったとき(今日なんて「今日の蘭子」である)、のぶの話題を出すことはしない。なぜだ。主人公はのぶなんだぞ。と筆者は少し苛立つ。

 蘭子「メイコ、よろめきドラマのようなことをしたいがかえ?」
 メイコ「ちがうちがう」
 のぶ「あーーびっくりしたーー」

 なんでこういうセリフの割り振りなのだろう。

 筆者は、河合優実さんも好きだけれど、今田美桜さんも好きだ。その存在感は格別で、どんなふうにしていても、ドン!と構えて、光を放っている。そういうことが実は大事で、誰でもできるものではない。

 よく俳優は主役はつまらないと言う。脇役のほうが責任がなく、いろんなことができて面白みがあるが、主役は動かずドーンと構えていないといけないので、面白みが少ないそうだ。でも誰でもできるものではなく選ばれし者にしかできない。それを誇りに走り続けていただきたい(もうクランクアップはしたそうだ)。

 蘭子らしい詩、メイコらしい詩が出てきたが、のぶらしい詩は、やっぱり第106話で読んでいた「ちいさなテノヒラでも」か。「ちいさなてのひらでもしあわせはつかめる」。

 さて。嵩の詩集が人気で、自宅にファンレターが届くようになった。小学4年生の中里佳保という子から「先生の所に遊びに行きたいです」というはがきが届いた。また、一波乱ありそうか?

“今日の蘭子”に目を奪われても――のぶ(今田美桜)が朝ドラの「主役」である理由【あんぱん第108回】