たとえば、マナーを守る「べき」と思っている人がマナー違反の人を見たら怒ります。人には感謝する「べき」と思っている人が、感謝されていないと思ったら腹を立てます。

「べき」は自分にとって正しいものなので、自分が思うような「べき」になっていないと、相手は間違っていると感じますし、なんで思うようにできないのか?と不満を抱きます。

 誰しもいろいろな「べき」を持っています。それ自体は問題ないのですが、厳しすぎる「べき」は、時にトラブルを起こすことがあります。

 たとえば、友達はこうある「べき」と思っているのに、友達がそうしてくれなかった時、必要以上に強く怒ってしまい、友人関係にひびが入ってしまうことがあります。

「べき」は自分の理想や願望を表している言葉でしかないことを覚えておきましょう。

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「べき」を使う時、知らないうちに自分の理想を相手に押しつけているかもしれません。

違いを受け入れられれば
他人の言動にイライラしない

 価値観が合わない相手と良好な人間関係をつくることは、難しいことのように思えます。

 離婚で一番に挙げられる理由は価値観の不一致です。一時はとても愛し合って結婚した2人が別れる理由にするくらいなのですから、価値観が合わないことは取り返しのつかない大問題のように思えます。

 でも冷静に考えてみると、価値観がまったく同じ人はこの世の中にはいません。同じような価値観を持っている人はいますが、100%自分と同じ人はいません。

 もし自分と価値観が同じ人しかいなかったら、自分がしたくないことは世界中の人もしたくないことになるので、それでは世の中が動きません。世の中は自分と違う人がいるから回っているのです。

 人と価値観が違うということは、自分にはなかった視点、考え方をそこに見つけることができるということです。その違いを好きか嫌いかは別として、少なくとも新しい視点をもたらしてくれます。

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それまで「自分と同じところ」に目を向けていた相手の「違うところ」に意識が向くようになると、「自分とは価値観が違う」と感じるようになります。