不幸の沼にハマる「NGな考え方」とは?
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

友達が少ない人が不幸を感じる瞬間
友達が少ない人や、いない人が一番つらくなる時、それは「友達を増やしたほうがいいのではないか」「友達がいなければいけないのではないか」と思い始めた時です。その瞬間に、不幸を感じてしまうのです。
そして、友達を作ろうと一生懸命に頑張ります。しかし、前提として、友達が少ない、あるいはいないという状態は、その人の様々な生き方の中で最適化された結果です。
多くの友達がいる人に比べて少ない、もしくは、いないという状態に落ち着いているのは、ある意味、その環境に適応しているからなのです。
無理に変えようとすると疲れてしまう理由
ご自身が適用した結果の一つが今の状態なので、無理に友達を増やそうとしても、やはり無理が生じてしまいます。息切れしてしまったり、疲れてしまったり、つらい思いをしたりすることがあります。
そもそも人間関係には、つらいこともたくさんあります。友達が少ない、いないという人は、人間関係によって得られる喜びやプラスの側面よりも、人間関係で生じるつらさのほうを強く感じやすいからこそ、現在の状態になっているのです。
そのため、「友達がいない(少ない)のは良くない」と思った瞬間に不幸を感じ、そこで増やそうとしてもうまくいかず、さらに自己評価が下がってしまうという悪循環に陥りがちです。
今の自分を肯定することから始めましょう
まずは、「自分にとっては友達がいないほうがいいんだ」「少ないほうが自分には合っているんだ」と考えてみましょう。そして、その状態であることのプラスのメリットをきちんと理解した上で日々を過ごしていくと良いと思います。
そうしないと、「たくさん友達を作ろう」と頑張っても、無理している自分に気づき、結局やめてしまうことになります。その結果、「無理をやめたら、やはり誰もついてこない」と感じ、以前よりもっと強い孤独を感じてしまうのです。
「私はこういう人間で、これが自然なスタイルなのだ」と最初から思っている人に比べて、一度無理をした人は、より孤独を強く感じてしまいます。だからこそ、「このままでいい」とまず思うことが大切です。
今の環境で得られているメリット、つまり、人間関係の煩わしさから解放されているという点に目を向けてみましょう。
友達の数とあなたの魅力は関係ありません
友達の数と、あなたの魅力は直結しない、という点が大事なポイントです。魅力的な人でも、友達がいない人はたくさんいます。
それは、友達と付き合うために使うエネルギーや、付き合いの中で起きるストレスに対して、その人がどれだけ繊細であるか、というバランスの問題なのです。
逆に、友達が多いからといって、その人が素晴らしいということでもありません。友達が多いか少ないかは、あくまで個性の違い、ニュアンスの違いなのです。
自分にとっての「最適な関係」を見つける
ですから、友達が少ない、あるいはいない人は、まず「それはそれで自分なのだ」と現状を肯定した上で、もし何か物足りなさを感じるのであれば、解決策を考えてみましょう。
「周りからどう思われるか」を気にするのではなく、「少し寂しいな」とか「こういう話ができる人が一人いたらいいな」と感じた時に、その目的を満たしてくれる人を、必要なだけ作れば良いのです。
素直に考えてみると、人間関係は人生を構成する一要素に過ぎません。誰と過ごすかは非常に大事なことですが、数が多ければ良いというわけではないのです。
今一度、ご自身にとって最適化された人間関係とはどのようなものなのかを、改めて認識してみてはいかがでしょうか。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。