誠実さはモラルではなく、人生を劇的に変える“生きる戦略”
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誠実さをテーマにした理由
今日は「誠実」についてお話しします。
以前、このテーマで話したところ、大きな反響がありました。「誠実」という言葉に、多くの人が関心を持っているのだと感じました。
そこで今回は、「誠実な人とはどんな人か」、そして「なぜ誠実さが大切なのか」という2つの観点からお話しします。
私なりの誠実の定義
辞書にはさまざまな定義がありますが、私の考える誠実さとは、「言動が一致していること」です。
この「言動一致」には、特に2つのポイントがあります。
自分にできないこと、やれないことを軽々しく口にしない
● 言ったことは守る
何があっても約束を守ろうと全力で行動する
この2つを満たしている人こそ、誠実な人だと思います。つまり、言葉に嘘がなく、約束を全力で守る人です。
誠実さはモラルを超えた「生きる戦略」
誠実であることは、もちろん倫理的・道徳的にも望ましいですが、私はそれ以上に「生きる上での戦略」だと考えています。
なぜなら、誠実でない人と関わると、大きなリスクを背負うことになるからです。
たとえば、相手の言葉に信用がなければ、前提として話を進めても必ずズレが生じ、最終的に被害を受けることになります。
誠実でない人と関わるリスク
誠実でない人は、平気で約束を破ったり、適当なことを言ったりします。
夕方6時に待ち合わせをしても、6時半に「今から出る」と連絡してきたり……こうなると、その場にいる他の人の時間が無駄になり、せっかくの約束の意味がなくなります。
これは仕事でも同じです。締め切りを守らない、言ったことをやらない人と組むと、計画は滞り、プロジェクト全体がうまく進まなくなります。
誠実であることのメリット
一方、自分が誠実に行動していると、周囲はあなたを「信頼できる人」と認識します。そして、信頼される人には、良い仕事や楽しい話が自然と集まってきます。
さらに、誠実な人は同じように誠実な人と付き合おうとするため、自然と周りが誠実な人だらけになります。
そうすると、話やプロジェクトはスムーズに進み、良い出来事が次々と舞い込むようになるのです。
他人の誠実さを見抜く方法
他人が誠実かどうかを判断するには、
● 言ったことを守っているか
この2つを観察します。確率的に守れている人ほど、誠実な人と言えます。
自分を誠実に保つために
自分が誠実になろうと思ったら、
● 守れないことは言わない
この2点を徹底します。すると「本当に自分ができること」だけを口にするようになり、自分の弱点や苦手分野が見えてきます。これは自己成長にもつながります。
誠実さは単なる道徳ではなく、自分の人生を良くするための強力な戦略です。誠実でいることで、信頼できる人とだけつながり、良い話やチャンスが自然と集まってくるのです。
だからこそ、誠実な色に自分を染めていくことが大切だと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。