人前で話すのが怖い…頭が真っ白になる人が知らない解決策
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【あがり症克服】精神科医が教える…人前で緊張する人、しない人の決定的な思考法の違いPhoto: Adobe Stock

なぜ人前で緊張してしまうのでしょうか?

今日は、私が実践している人前で緊張しないための方法についてお話ししたいと思います。

私は講演会など、人前でお話しする機会が多くあります。その際、「どうすれば、そんなに人前に出ても緊張せずに話せるのですか?」というご質問をよくいただきます。

1.緊張を克服する第一歩は「慣れ」

まず一つ目の方法は、「慣れる」ということです。人間の脳は、普段と違う非日常的な状況に置かれると、警告サインとして「緊張」という感情を生み出します。

しかし、人前で話す回数を重ねていくと、その状況が当たり前になり、脳はその刺激に慣れていきます。何度も経験することで、それが「普段通り」のこととなり、次第に緊張や過度な興奮をしにくくなるのです。

これが「慣れ」の正体です。まずは、場数を踏んで慣れていくことが、緊張を克服するための大切な第一歩となります。

2.「他人からどう見えるか」を意識しない

二つ目の大切な方法は、自分が話している姿が「他人からどう見えているか」を過度に意識しないことです。これは「他人軸」ではなく「自分軸」で考えることとも関連しますが、自分がどう見られているかを考え始めると、人は途端に緊張してしまいます。

なぜなら、他人が自分をどう見ているかという答えは、絶対に自分では分からないからです。私たちはそれを想像することしかできず、分からないことに対して不安を感じてしまいます。

さらに、「どう見られているだろう」と考えた瞬間、話すべき内容が頭から抜け落ちてしまい、言葉に詰まってしまうという悪循環に陥ってしまうのです。

3.自分が「伝えたいこと」に集中する

そして三つ目の方法は、先ほどの話と関連しますが、「自分が伝えたい内容」や「やるべきこと」だけに意識を集中することです。

自分がどう見られているかを意識しないためには、話す内容をしっかりと頭に入れておくことが重要になります。覚えることに自信がなければ、メモやスライドなどを準備するのも良いでしょう。

「自分の発表はスムーズにできているだろうか」「聴衆の反応は良いだろうか」といったことまで考え始めると、考えがまとまらず身動きが取れなくなってしまいます。

聞き手というものは、話し手が一生懸命に伝えたいメッセージを持っている時に、その話に興味を持ち、真剣に耳を傾けてくれるものです。

「自分がどう見えるか」を意識することは、結局のところ「自分が格好良く見えているか」だけを考えているのと同じです。それでは聞き手の心には響かず、かえって反応が悪くなってしまいます。そして、その悪い反応を意識することで、さらに動揺してパフォーマンスが低下するという事態を招きます。

たとえ、しどろもどろになったり、多少噛んでしまったりしても構いません。自分が本当に伝えたい内容に集中し、それを言葉にすることこそが、結果的に良い発表につながるのです。

3つのポイントを意識して、少しずつ上達しましょう

人前で話すことに緊張しやすい方は、ぜひこの3つの方法を試してみてください。

「慣れる」ことの効果を信じる
「自分がどう見えるか」を意識しない
●自分が「やるべき内容」だけに集中する

これらを組み合わせて実践していくことで、少しずつ人前で話すことが上手になっていくはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。