ツナのサンドイッチや
「ごはん+焼き魚」がお勧め
しかも魚単品より、「炭水化物とタンパク質」の組み合わせが体内時計をガツンと動かす。
「ですから朝食には、マグロから製造されたツナ(タンパク質)のサンドイッチ(炭水化物)が手軽でいいですね。もちろんごはん+焼き魚もOKです」(古谷氏)
朝食を取り、体内時計が規則正しくリズムを刻み始めることで、肥満だけでなく、仕事のパフォーマンスも高まり、美肌などの見た目にも良い影響を与える。肌も細胞から成り立ち、ひとつひとつ時計があるからだ。

週2日の暴飲暴食は
体重や体脂肪に影響しない
とはいえ、時には会食や飲み会なども楽しみたい…と思う方へ。実は週2日までならハメを外しても問題ない。
「私たちの研究で休日(2日間)だけ暴飲暴食をし、平日はしないケースを調べたところ、休日の2日程度の暴飲暴食なら体重や体脂肪に影響せず、太る軌道を描かないことがわかりました」(同)
大池氏も、「週2回程度なら体内時計のリズムに影響を与えにくいことがマウスで報告されています」と述べつつ、翌日の対処を補足する。
「例えば飲み会に参加し、夜遅くにたくさん飲み食いをしたとしますね。その場合、翌日は絶食するか、夜を控えめにしましょう。飲み会の翌日に、朝食と昼食を抜き、夕食を普段通り食べてしまうと、体内時計が一気に後ろに引っ張られ、夜型化してしまうのです。夜型になれば肥満のリスクも高まります。ですのでハメを外した日の翌日は朝を抜いたとしても、昼は普通に食べ、夕食を軽めに。そうすれば体内時計がそれほど後ろに引っ張られない(乱れない)ので、そのほかの日の努力が無駄になりません」
もちろんおなかに入るなら軽い朝食を取ると、体内時計のリズムが一層崩れにくい。私は飲み会の翌朝も、いつもよりやや控えめの朝食を食べ、夜を抜いている。
〈規則的なリズムは健康の兆候であり、不規則な身体機能や不規則な習慣は不健康を募らせる〉とは“西洋医学の父”と称されるヒポクラテスの言葉。
時計遺伝子は体内の臓器やホルモンがうまく機能するように、常に複雑な調整を続けている。起床して朝食を取り、そこから12時間以内に夕食を終わらせる――そのリズムを規則的に刻めば、ラクに痩せられるはずだ。