テキスト生成AIに最初から文章を書かせ、それを若干手直しして文章を完成させる人もいるかもしれませんが、私自身はそうしたやり方は好みません。文章の構成をテキスト生成AIに任せてしまうと、考えるというもっとも大事な基本作業を機械任せにしてしまうことになるからです。
そこまで機械任せにしてできた文章は、もはや自分の書いた文章とは言えません。「書く」ことは「考える」ことであり、「考える」ことは「書く」ことです。書くという作業をとおして人は深く考え、知恵を身につけ、それを新たな創造へと発展させるものです。
「考える」という過程をテキスト生成AIに任せ、そのことに慣れてしまうと、その人は考えられなくなって創造性を失い、人間としての市場価値を下げてしまうことになるでしょう。
採用する企業側としては、企画立案も文書執筆もすべてテキスト生成AIに丸投げする人材を、高いコストをかけて雇用するメリットはありません。テキスト生成AIにはできない創造的思考を行い、独自の付加価値を創出できる人材を市場は求めているのです。
また、テキスト生成AIを下敷きにした文章は読者にそのことが何となく伝わるものです。
テキスト生成AIが生成した文章は常識的であり、新規性や個性に欠けることはすでに述べたとおりです。つまり、テキスト生成AIに文章を書かせると、内容面で質が下がる可能性があるという点でもお勧めできません。
そのことをX(旧ツイッター)への記事投稿を例に、確かめてみることにしましょう。
文章作りはうまいのに
言葉遊びは大の苦手
たとえば、次のような指示をChatGPT-4oに出してみます。
日本語には同音異義語が多いことをX(旧ツイッター)でつぶやきたいと思います。同音異義語「町内」と「腸内」を例に、Xでつぶやく文章を140字以内で作成してください。
その結果として得られた文章は次のようなものでした。
日本語には同音異義語が多い。例えば「町内」と「腸内」。町内会の集まりに行くつもりが、腸内環境を整える話ばかりしていたら、それはそれで健康的かも?#日本語って面白い