莫大な現金保有という事実がウォーレンに教えてくれるのは、〈アップル〉が途方もない成功を収めてきたことと、新製品開発の資金が潤沢に存在することと、借金による資金調達の必要がないことだ。積極的な自社株買いの姿勢が意味するのは、ウォーレンがこれ以上資金を注ぎ込まなくても、毎年毎年、〈バークシャー〉の〈アップル〉に対する所有権がどんどん大きくなること。これらの事実をすべて合わせると、1株34ドル――株価収益率16倍――での〈アップル〉株投資はお買い得だったという結論に帰着し、ウォーレンは〈アップル〉株を9億700万株まで買い増した。そして、株価が過大評価されていると感じた2024年、一転して株を売りはじめたのである。

やっぱりバフェットは正しかった…日本の5大商社への投資で叩き出した「桁違いな含み益」とは?『新・バフェットの教訓 時代の激流を味方にする135の流儀』(メアリー・バフェット 著、デビッド・クラーク 著、峯村利哉 訳、徳間書店)