「管理職になることができた!」「会社の人間関係がラクになった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4500社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「数字に強くなれる」「仕組みで解決できる」という思考法を授ける本シリーズは、さまざまな企業・業界・個人から圧倒的な支持を集めている。この連載では、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

会議が多いと「責任の所在」がぼやける
会議が頻繁に開かれる組織では、意思決定がなかなか進まないという特徴があります。
誰もが意見を言える場を設けることは一見よいことのように見えますが、裏を返せば、誰も「決断する責任」を負っていないとも言えます。
結果として、具体的なアクションが決まらず、現場は「またあの件、どうなったんだろう」と混乱することになります。
責任の所在が不明確なまま時間だけが過ぎ、ストレスと疲弊だけが積み重なっていくのです。
「報告のための報告」が現場を圧迫する
会議を定例化している会社ほど、「何か話すことをひねり出さなければならない」という空気が蔓延します。
たとえば、週次会議のたびに報告資料を作り、話す内容を考え、上司の顔色を伺いながら報告する。
これが日常になってしまうと、本来の業務に集中する時間とエネルギーが奪われていきます。
やがて現場では、「会議の準備のために仕事をしている」ような本末転倒の状態に陥ります。
「議論した=実行した」という錯覚
最も危険なのは、「会議をした」ことで何か進んだ気になってしまうことです。
議論は活発に行われても、誰が何をいつまでにやるかが明確にならなければ、会議は単なるおしゃべりに過ぎません。
それにもかかわらず、参加者たちは「課題を共有できたから、あとはなんとかなるだろう」という誤った安心感を抱いてしまい、結果として現場では何も変わらず、疲弊感だけが蓄積していきます。
仮面をかぶって、会議の意味を問い直す
会議が悪いのではありません。
問題なのは、「目的がないまま開かれる会議」と「行動につながらない会議」です。
リーダーは、感情に流されて「とりあえず会議を開こう」と考えるのではなく、仮面をかぶって冷静に問い直す必要があります。
「本当にこの会議は必要か」「現場にとって意味があるのか」を見極めたうえで、会議体そのものを仕組み化・最適化することが、現場の疲弊を防ぐ鍵なのです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4500社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計174万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。