老後のお金クライシス写真はイメージです Photo:PIXTA

若い世代に限らず、共働きの夫婦が増えてきた。そんな中、「自分のお金事情をどこまでパートナーに共有するか」について悩む人が少なくない。夫婦で必ず共有しておくべきお金の話とは。ケース別に詳しく見ていこう。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)

共働き夫婦の増加で
「お金の話は内緒」が増えてきた

「自分のお金事情は、夫(または妻)と共有すべきなのでしょうか」

 マネー相談の際、このような質問を受けることがある。

 筆者がファイナンシャルプランナー(FP)になった1990年代半ばから2000年代にかけては、専業主婦が大多数の時代。夫の稼いだお金を妻がやりくり、管理し、貯蓄額を夫婦で共有する――こんな夫婦が多く、特に「内緒のお金」はないのが一般的だった。

 ところが、共働き夫婦が増えるにしたがって、冒頭の質問を受ける機会が増えていく。

 若い世代はもちろんのこと、最近は50代のフルタイム共働きも少なくない。自分の稼ぎがあると、それをどこまで配偶者に開示すべきなのか、しなくてもいいのかと迷うようだ。

 実際のところ、筆者のもとにマネー相談に訪れるカップルの大半は、自分のお金事情について「オープン派」である。

 以前から共有しているという人もいれば、マネー相談をきっかけにお互いのお金事情の情報開示をしたという人もいる。

 一方の「共有することをためらう派」が、配偶者にオープンにしたくない理由は何だろうか。理由によってアドバイスが異なるので、「なぜ、言いたくないのですか」と尋ねてみる。

 理由はさまざまだが、主に次のようなものだ。

◆自分の年収は高く、金融資産も多いので、パートナーにアテにされたくない

◆妻である自分の年収は夫より高いと思うので、夫のプライドを傷つけなくない

◆結婚以来、話すタイミングがなかった

◆共働きを30年以上続けてきて、生活費の分担金を決めたら、残りはそれぞれの自由、関知しないというやり方を結婚以来取ってきたので、今からオープンにするのもどうかと思う

 今回は筆者が日頃、FPとしてどうアドバイスしているのかをみなさんにもお伝えしよう。