「スマホを見ていたらあっという間に2時間経ってた…」「あっという間に1日が過ぎていく」。スマホやSNSが蔓延っている今、そう感じたことはありませんか?
『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』の発売を記念して、年間200冊を手がけることもあるほど超人気かつ超多忙なデザイナーであり、著書『時間のデザイン』も刊行された井上新八さんに、特別に話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

Q.疲れているはずなのに、気付くとSNSを見てしまいます。
いつもパソコンやスマホばかり見ていて、簡単に息抜きができたらなと思ってはいるのに、疲れるとどうしてもSNSを見ることに落ち着いてしまいます。こんなとき、簡単に気持ちを切り替える方法はありますか?
気持ちを切り替えるためのスイッチを作る
井上新八氏(以下、井上氏) ぼくは仕事が一区切りついたタイミングで、昼前に毎日走るようにしています。
毎日4キロのジョギングをしているので、大体20分程度かかりますかね。
――え、昼に4キロも走ってるんですか? めちゃくちゃ暑くないですか?
井上氏 仕事がひと段落ついて、気持ちを切り替えるためにジョギングをするようにしているので、朝や夜は走る気にならないんです。ぼくにとってのジョギングは、『とっぱらう』でいう“チャージ”の時間です。
室内の運動も試しましたが、景色が変わらないと満足感が得られないので、外を走ることにこだわっています。
頑張りすぎずに続ける
井上氏 『とっぱらう』に「毎日運動する(でも頑張りすぎない)」という戦術がありますよね。
バッテリーを充電するには、体を動かすのがいちばんだ。でも難しいワークアウトを延々とやる必要はない。僕らの原則はシンプルだ。
①運動は20分ほどでいい
②毎日やろう
③少しでもできたら自分をほめる
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より
井上氏 ぼくもこの戦術と同じで、頑張りすぎないからこそ続けられていると思いますね。
元々、走る習慣を始めたのは編集者時代なんです。激務とストレス、そして体重増加がきっかけでした。
当時は深夜1~2時に走っていたんですが、フリーランスになってからは「仕事終わりに走る」というルールに変えました。
暑い日は、途中で歩いても大丈夫ということにして、とにかく「やめない」ことを大事にしています。
――習慣を続けようとすると、どうしても「一度決めたことを守らなければ」と思ってしまいがちですが、「どうすれば止めずに続けられるか」の方が重要なんですね。
井上氏 そうですね。無理をせず、でも毎日やる。頑張りすぎずに続けることが一番です。
走る距離やスピードにこだわるよりも、「今日も外に出て体を動かした」という事実が、自分を前向きにしてくれると思います。
――そう考えると「会社から歩いて帰る」などのちょっとした運動も、立派な習慣ということに……! 意外と無意識で「気分を切り替える最強の習慣」を続けている人は多いのかもしれないですね!

1973年、東京生まれ。和光大学在学中に独学でブックデザイン業を始める。大学卒業後は新聞社で編集者として働き、2001年にフリーランスのブックデザイナーとして独立。年間200冊近くの本をデザインしている。担当した書籍は『覚悟の磨き方』『自分とか、ないから。』(サンクチュアリ出版)『運動脳』(サンマーク出版)など多数。著書の最新刊は『時間のデザイン』(サンクチュアリ出版)。
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