ドライバーの意思に忠実なパワフルな走りに感銘
メルセデスの魅力がフルに味わえる実力車

 具体的な装備内容は、アドバンスドサウンドシステムおよびリアシートヒーターが省かれ、ARTICOダッシュボードがオプション設定となった。選べるオプションはAMGラインパッケージ(75.9万円)とパノラミックスライディングルーフ(23.3万円)の2つに限られる。ボディカラーは標準のポーラーホワイトのほか、有償(8.5万円)でオブシディアンブラックとハイテックシルバー(いずれもメタリック)が選べる。

 インテリアではメンテナンスが容易で本革のような質感が楽しめるブラックのレザーARTICOが標準で、AMGラインパッケージを装着するとホワイトとグレー&ブラックの2色にグレードアップする。

 コアは、各部のシンプル化で、標準車比で約50万円ほど安い価格を実現。試乗車のクーペのプライスは866万円である。

 なおドライバーズパッケージやレザーエクスクルーシブパッケージが選べないため、GLCの特徴であるリアアクスルステアリングを装着することはできない。この点には注意が必要だ。

 試乗車は、AMGラインパッケージを装着したクーペ。AMGラインにはベースモデルとは意匠が異なるマルチスポークタイプの20インチアルミが組み合わされる。低価格をアピールポイントにするコアでも、オプションを付けるとそれなりの価格になってしまうが、やはりGLCクーペによく似合うスポーティなルックスは魅力的だ。

 ひさしぶりにGLCをワインディングでドライブして、「こんなにいいクルマだったっけ?」と感じた。もともと走りに一体感があり、意のままに操れるところが気に入っていたのだが、今回コアを走らせて、あらためてその思いが強まった。

 ステアリングは切り始めから遅れなく正確に応答し、イメージしたとおりにラインをトレースしていける。そのため修正舵はほとんど必要ない。ワインディングをまさに気持ちよく走ることができる。リアアクスルステアリングがなくてもここまでできるのなら不満を覚えることはない。