
「疲れているのに眠れない」「集中力が落ちた気がする」…そんな変化を「ただの体調不良」と片付けていないだろうか。産業医として患者の声に耳を傾けてきた吉田英司氏は、こうした症状の裏にメンタルヘルスの危機が潜んでいると警鐘を鳴らす。心の状態を把握できる“自分にとってのストレスサイン”とは?※本稿は、吉田英司『一生健康に働くための心とカラダの守り方』(かんき出版)の一部を抜粋・編集したものです。
頭痛、めまい、肩こりも
メンタルヘルス不調の症状
あなたは「あ、ちょっとメンタルが病んできているな」と思う時はどんな時でしょうか。お腹が痛くなる、眠れなくなる、頭痛がする、肩こりが極端にひどくなる、などサインは人によってそれぞれです。
メンタルヘルス不調を悪化させないためには、まずは「症状に気づくこと」が一番重要です。その理由は2つあります。
(1)症状が人それぞれであり、しかもその症状がメンタルヘルス不調のサインだと気づかないことがあること。憂うつなどの気分の症状以外に、頭痛・腹痛・めまい・肩こりなども、実はメンタルヘルス不調の症状です
(2)自分の状態に気づかないと、何の対処もできないこと
(1)に関しては、全く自分で気づいていないパターンと、うっすらと気づいているけれども、自分がメンタルヘルス不調になっているかもしれないことを、受け入れられないパターンがあります。
(2)はより重要です。自分が不調であることに気づかないと、改善に向けての行動のスイッチが入りません。