就業への影響とは、寝つきが悪いと朝起きることが難しくなり、会社に行けなくなる、または遅刻をすることです。なんとか朝に起きて会社に行けたとしても、午後に体調が悪くなり、早退してしまうこともあります。

 そのような体調で仕事をしても効率が上がりません。そのため無駄に長時間働くことになり、残業時間が大幅に増えます。

 また、長時間労働のために夜遅く帰宅し、朝のギリギリの時間に起きると、家事をする時間がありません。洗濯ができず昨日と同じヨレヨレの服で出社してしまいます。

 まずは、メンタルヘルス不調の時は不眠症状が出やすいことを覚えておきましょう。そして、不眠症状に付随した疾病性(他の症状につながっていること)と事例性(就業に影響が出ていること)の問題が出ていないかに注意するようにしましょう。

蕁麻疹や肌荒れさえも
ストレスが引き起こす

 不眠症がメンタルヘルス不調として一番出現しやすい症状であり、それがどういう影響を及ぼすかはご理解いただけたかと思います。

 他にもメンタルヘルス不調の時に出やすい症状があります。これは本当に人それぞれなのですが、頭痛、めまい、動悸、微熱、肩こり、首こり、胃痛、腹痛、下痢、便秘、蕁麻疹、耳鳴り、目の痛み、肌荒れ、などさまざまな症状があります。

 ストレスと身体の病気の関係は昔から指摘されています。ストレスが原因で起こる病気は、メニエール病、蕁麻疹、帯状疱疹、突発性難聴、過敏性腸症候群、胃食道逆流症、高血圧、円形脱毛症、片頭痛、慢性疾患の増悪など、こちらも多くのものが挙げられています。

 ストレスが関与する健康問題は、身体的な疾患(ストレス関連疾患)とメンタルヘルス不調に大きく分けられます。

 しかし、この2つは症状が重なる部分も多く、区別がわかりにくいのが現実です。それは、どちらもストレスが原因であり、身体症状と精神症状は相互に影響するためです。

 ストレスによる身体への影響と、メンタルヘルス不調は、概念的に重なる部分が大きいと考えてください。