メンタル不調時の
意欲低下を乗り越える
これまでの話を通じて、休みの日に何かに集中する時間を確保することの重要性をご理解いただけたかと思います。
しかし、運動や音楽などの活動をしようとする時に、1つ問題になることがあります。
それは、メンタルヘルス不調の時には、意欲の低下の症状が現れやすく、「活動をすること自体が億劫になり出不精になる」ことです。
産業医面談や診察室での相談でも、「やったほうがいいとはわかっているけど、どうしてもその気になれない」と悩む人が多いのを実感しています。
これは、いわば鶏と卵の問題に似ています。運動や音楽などの活動をすれば脳が休まり、メンタルヘルスの状態が改善するのに、その改善のために必要な「やる気」自体が湧かない。この悪循環に陥ってしまうのです。
こうした状態では、「自分の意志の力」だけで解決しようとするのは難しいものです。なぜなら、そもそもその意志を発揮すること自体が困難な状態だからです。
では、どうすればこの悪循環を断ち切れるのでしょうか?

この悪循環を断ち切る方法の1つが、自分以外の人の力を借りることです。具体的には、誰かと約束をすることが有効です。特に、次のような条件の約束が効果を発揮します。
・キャンセルしにくい相手(上司や先輩など、気軽に断りづらい関係の人)
・キャンセルに高額な費用がかかるもの(ジムの予約やレッスンのチケットなど)
先ほどのCEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)の話とも関連しますが、いざ外出して行動を始めると、思った以上に楽しめるものです。