「ホストと純愛」あおってどうする!フジテレビのドラマに専門家が喝、性的搾取を防ぐ秘策とは写真はイメージです Photo:PIXTA

フジテレビの人気ドラマ「愛の、がっこう。」は、ホストと高校教師の純愛を描いている。だが、現実のホストクラブは、若い女性を借金と搾取に追い込む入口と化していることが多い。「現実とは異なる」という注意喚起をしたとしても、ホストクラブを恋愛ドラマで描くのは危険がある。専門家に危険性と悪質ホスト問題への対策を聞いた。(ノンフィクションライター 窪田順生)

ドラマ「愛の、がっこう。」が危ない理由

 父親については顔も知らず、母親からの愛情をあまり受けていない。また、義務教育もろくに受けていないので、漢字の読み書きができない。そんな不幸な生い立ちの若者がホストの世界でNo.1を目指して奮闘する。

 そんなひたむきに夢を追いかける彼の姿に惹かれるのは、高校教師の女性。何かと親の言いなりで生きていた女性は恋愛にも奥手だったが、若者との出会いで世界が一変、ついには家から飛び出して人生初の一人暮らしを開始。ホストとの距離も徐々に縮まっていく――。

「おいおい、この女の人、大丈夫?ホストから完全にカモにされちゃってるんじゃん」と心配してしまう人もいらっしゃるだろうが、安心していただきたい。

 これは今、フジテレビ系列で放映されている恋愛ドラマ「愛の、がっこう。」の話だ。漢字の読み書きができない主人公のホスト・カヲルを人気アイドルグループ「Snow Man」のラウールさん、マジメな女性教師・愛美を俳優の木村文乃さんが演じている。

「すれ違うことすらないはずの男女が織り成す、禁断なのに純愛な“愛”の物語」(同番組ホームページ)というふれこみ通り、多くの女性たちの胸をキュンキュンさせている。

 最新の第8話では、高熱で寝込んだ愛美が目を覚ますと、夜通し看病をしたカヲルが用意した朝食と、拙い字で書いた置き手紙があったというシーンがあり、ネットやSNSで話題となった。

「カヲルが愛おしすぎる!」「2人には絶対に幸せになってほしい」「誰かを愛する尊さを教えてくれる」と盛り上がりX(旧Twitter)でトレンド入りも果たしたという。

 しかし、そのように女性たちが盛り上がっている社会風潮に対して、危なっかしいと感じている人も少なくない。