中国の経済成長に伴って、都市部を中心に女性の社会進出が急速に進み、美容に関する関心も時を同じくして高まっている。彼女たちは手にした所得を、お洒落にも使うようになっている。こうした社会の変化に上手く乗って、急成長しているのが知る人ぞ知る中国ECビジネスの化粧品部門で売上No.1を誇る「楽蜂網(LAFASO)」だ。日本には資生堂など、世界でも知名度の高い化粧品メーカーが多い。しかし、中国では爆発的に売れているというニュースはあまり聞かない。LAFASOグループ日本法人社長の斉氏に、同社の販売力の秘密と、日系化粧品メーカーが中国市場で勝ち残るためのポイントを聞いた。
会員数800万人、年間売上18億元
事業開始から5年で中国最大手に
――中国ECで化粧品を一番売っているLAFASOとは、どういう会社ですか?
LAFASOグループは、元CCTV(中国中央テレビ)アナウンサーの李静が2000年に創業した会社です。はじめは中国初の民間メディアブロダクション会社としてスタートしました。李静自らも人気タレントとして活躍しながら、中国初のファッショントレンド番組「美麗◎佳人」(◎はにんべんに「悄」のつくり)、中国版“徹子の部屋”と言われている「超級訪問」などの人気テレビ番組をいくつもプロデュースしています。
2008年にはプライベート・エクイティ(PE)ファンドのセコイアキャピタルからの出資を受け、化粧品ECサイト「楽蜂網(LAFASO)」を立ち上げEC事業にも参入しました。楽蜂網(LAFASO)は、現在会員数800万人、年間売上18億元の中国最大手の化粧品ECサイトとなっています。またイベントの企画運営もやっており、2011年に北京で行われた東京ガールズコレクションも我々がプロデュースしています。
――化粧品ECサイト「楽蜂網(LAFASO)」の競争力の源泉は、テレビ番組等のメディアを押さえていることですか?
おっしゃるように弊社で製作しているファッショントレンド番組「美麗◎佳人」等メディアの力も我々の強みの一つです。「美麗◎佳人」は週5日、毎回30分放映されているテレビ番組で、美容アドバイザーやタレント、モデルが20~30代中国人女性向けの注目商品、話題の新商品を楽しく紹介する番組です。
この番組で紹介した商品が、放送直後から爆発的に売れるのです。これまでに、資生堂TSUBAKI、大塚製薬 SOYJOY、ちふれ化粧品などの日系商品も取り上げています。