「昔はすごかった…」が口癖の人が迎える悲しい末路
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で幸せを呼び込む言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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誰にでも「ピーク」は訪れます
誰にでも、物事が最も上手くいく「ピーク」の時期があります。少し言葉が強いかもしれませんが、「落ちぶれない人はいない」とも言えるかもしれません。どのような方でも、一度は上り坂を経験し、そこから下り坂になることは必ずあるのです。
それは、歴史に名を残すような大物や、一世を風靡した人、そして並外れた実力や才能を持つ人であっても例外ではありません。必ず右肩下がりになる時期がやってきます。なぜなら、人は少しずつ衰えていき、やがては命を終えるからです。そう考えると、永遠に生きる人も、永遠に右肩上がりでい続ける人も存在しないことが分かります。
もちろん、長く現役で活躍される人もいれば、そうではない人もいて個人差はありますが、それでも誰もがずっと成長し続けるわけではありません。これは年齢的なことも含めて、自然なことなのです。
「できなくなった時」の捉え方が幸福度を分ける
ここで重要になるのは、「自分が以前よりもできなくなる日が必ず来る」という事実を心に留めておくことです。
そして、以前よりもうまくいかなくなった時に、その状況をどう捉えるかによって、人生の幸福度は大きく変わってきます。未来の自分が今の自分よりもできなくなっていたり、周囲からの評価が下がっていたりするのは、誰にとっても受け入れがたいことでしょう。
しかし、これは誰もが通る道であり、昔からどんなに立派な人でも経験してきたことです。必ず訪れる未来に対して、ただ嫌な気分でいても仕方がありません。
「今日の自分」に集中し、新たな挑戦を始める
大切なのは、過去の栄光にとらわれるのではなく、「今の自分にできる範囲」で物事を考えることです。「今日の自分にとって、最高のことであればそれで良い」と考えてみてはいかがでしょうか。
もちろん日によって調子の波はあると思いますが、「今日一日、この瞬間、自分のできる範囲でベストを尽くせた」と思えれば、それで十分なのです。そうすれば、過去の出来事にくよくよと思い悩む必要もなくなります。
むしろ、これを機に「今までやってこなかったことに挑戦してみよう」と考えることもできます。新しいことであれば、これまでの経験や身体的なピークとは関係なく、ゼロから育てていくことができます。昨日よりも今日、今日よりも明日と、少しずつでも前に進んでいくことができるでしょう。
執着を手放し、柔軟な発想で日々を楽しむ
これまでの自分の立場や状況が当たり前になってしまうと、それが失われた時に非常に苦しくなり、時には見苦しい行動をとってしまうことにもつながりかねません。それは、ひと言で言えば「執着」です。
しかし、過去に執着しても良いことはありません。大切なのは「今の自分」に焦点を当てること。「今日一日、自分は一番素敵だった」と思えるようなことを積み重ねながら、柔軟な発想で様々なことに取り組んでみれば、毎日はもっと楽しくなるのではないでしょうか。
そのような生き方は、ある意味で新たな「右肩上がり」の人生と言えるのかもしれません。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








