「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

なぜ、「自分探し」は無意味なのか?その本当の理由Photo: Adobe Stock

「自分に合う仕事を探す」の正体

「自分に合う仕事さえ見つかれば、人生が変わる」

 そう信じて、“自分らしさ”を探し続けてきたけれど、気づけば、もう何年も経っている。どれだけ探しても、「これだ」という確信には出会えない。

 ――なぜ、こんなにも満たされないのか。

 実はこの発想自体がすでに、他人が作った座標軸の中で、自分をうまく最適化しようとする行為に他ならない。

「合うものを探す」という言葉の中には、「すでに誰かが決めた“正解”がどこかにある」という隠れた前提が潜んでいるからだ。

「自分探し」がうまくいかない理由

「もっと自分を活かせる場所が、きっとどこかにあるはずだ」

 ――そう信じて、理想の働き方や生き方を求めて動き続けてきた。

「年収1000万円」「週3日だけ働くフリーランス」「海辺の古民家で暮らす」――世間の空気、親の期待、SNSで流れてくる成功ストーリー。

 けれど、その“理想”は、本当に自分のものなのだろうか?

“理想”は、ときに、最も巧妙な「借りもの」になる。
 世間的な“素敵なライフスタイル”に、無意識のうちに同化してはいないだろうか。

選択肢の多さが消す“自分の声”

「これなら自分にもできそう」――そう思って始めたのに、なぜか続かない。転職しても、副業を始めても、どこか手応えが薄いまま終わってしまう。

 もしそうならその理由はきっと、“すでにある選択肢”の中から、自分らしさを拾おうとしているからだ。

 選択肢の多さは、ときに“自分の声”をかき消すノイズにもなってしまう。

「ここが合いそう」と感じた、あの直感さえも、よくよく見つめ直してみると「そう思わなきゃ」と刷り込まれた反応だったのかもしれない。

 ――そんなすり替えが、気づかぬうちに、心の奥で起きているのだ。

(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)