なぜか孤立する人がやりがち…精神科医が教える「無視されたときのNG行動」
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、精神科医Tomyが教える 1秒で元気が湧き出る言葉(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】誰かに無視されても心が軽くなる「最強の対処法」Photo: Adobe Stock

かつての経験から学んだ「無視」への対処法

今日は「無視されたときの対処法」についてお話しします。

実は私自身も、学生時代や若い頃に、人から無視されるという経験がありました。当時は気落ちしてしまい、「どうしたらこのグループでもっと仲良くできるのだろうか」と、常に顔色をうかがって無視する相手に媚びへつらうようになったのです。

しかし、それでも状況は好転せず、ますます自分の居場所がなくなっていきました。今思えばくだらないことですが、グループ内の力関係で、どうにもならない最下層にいるような気分でした。

無視されても仲間外れにされても全く平気

でも、今の私なら、そんなことで悩む必要は全くなかったと断言できます。同じように無視されたり、仲間外れにされたりしても、全く平気です。

なぜ私がそのように変われたのか。その理由と具体的な対処法を知っていただくことで、今まさに人間関係で悩んでいる方が、少しでも楽になれればと思います。

一番大切なのは「無視されないように頑張らない」こと

無視されたときの対処法として最も大事なことは、「無視されないように頑張らない」ということです。

無視されると、真面目な人ほど「自分が何か悪いことをしたのではないか」と考えてしまいがちです。そして、「何がいけなかったのだろう」と悩み、相手の機嫌を取ろうと努力をしてしまいます。

しかし、そうした行動はかえって状況を悪化させてしまうのです。

無視する相手は「近づいてはいけない人」

この対処法は、グループだけでなく、1対1で無視された場合にも有効です。

「無視」という行為は、コミュニケーションの手段として最も幼稚で、最低なやり方です。何か不満があるのなら、言葉で伝えればいいからです。それをせずに無視を選ぶような人は、「関わるべきではない稚拙な人物」だと認識しましょう。

「この人は関わってもしょうがない人間なのだ」と心に刻むことができれば、「無視されないように頑張る必要はない」と、自然に思えるようになるはずです。この根本的な原則を心に留めておくことが、何よりも重要です。

自分から無視し返すのはやめましょう

しかし、一つだけ守っていただきたいルールがあります。それは、たとえ相手があなたを無視したとしても、あなたから無視し返すことは絶対にしないでください。

「おはようございます」「おつかれさまです」といった最低限の挨拶や礼儀は、これまで通り続けるのです。

あなたが挨拶を続けているにもかかわらず、相手がそれを無視し続けた場合、周りの人々はどう思うでしょうか。「挨拶されているのに完全に無視しているなんて、あの人はおかしいのではないか」と、明らかに相手に非があると認識するようになります。

これが直接的な狙いではありませんが、もしあなたも同じように無視し返してしまうと、周囲からは「どっちもどっちだ」と思われ、状況が不利になる可能性がありますし、精神衛生上もよくありません。

ですから、相手の行動に関わらず、自分は挨拶と礼儀を尽くすこと。これだけは守ってください。それ以上の努力は一切必要ありません。

仕事や学業に支障が出たら、すぐに相談しましょう

もし、相手の無視によって職場の業務が進まなかったり、学校で勉強に支障が出たりするなど、実害が発生している場合は、ためらわずに親や上司、先生に相談してください。

その際、伝え方には少しコツがあります。相手を感情的に非難するのではなく、あくまで事実だけを淡々と伝えるのです。

悪い例:「◯◯さんが私を無視するので困っています」
良い例:「◯◯さんに業務(勉強)のことでお声がけしても返事がいただけず、やらなければいけないことが滞ってしまい困っています。どうすればよろしいでしょうか」

このように、冷静に「事実」と「自分が困っている状況」を冷静に淡々と伝えることが大切です。

無視されたときの4つの対処法【まとめ】

ここでもう一度、ポイントを整理します。

1. 無視されないように頑張らない
2. 無視された時点で、相手を「関わるべきではない稚拙な人物」だと認識する
3. 相手が無視しても、自分からは挨拶を続ける
4. 実害が出た場合は、感情的にならず事実だけを上司や先生に相談する

この4つを守っていただければ、無視されたときの対策は万全です。

どうか忘れないでください。あなたを無視するような相手は、あなたが心を痛め、思い悩むほどの価値がある人間ではないのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。