“今を充実させる”ための超シンプルな方法
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

「今を大事にする」とはどういうことか?
精神科医として、私はよく「今を大事にしましょう」とよくお話しします。なぜなら、私たちの人生は「今」この瞬間の繰り返してできているからです。
未来や過去のことばかりを考えていても仕方がなく、「今」のことだけを考えている人こそが幸せになれる、ということをお伝えしているのです。
しかし、この「今を大事にする」という考え方は、もう少し具体的に捉え直す必要があるかもしれません。「概念としては理解できるけれど、具体的にはどうすれば良いのだろう?」と感じる方は、意外と多いのではないでしょうか。
「今」に集中するためのシンプルな方法
一つの方法として、「未来のことを考えすぎない」「過去のことは考えない」というアプローチがあります。何かを「しない」と決めることで、結果的に「今」に集中せざるを得なくなるため、これも有効な方法です。
しかし、もっと分かりやすく「今を生きる」ための方法があります。それは、「行動」を生活の中心に据えることです。
なぜ「行動」が「今を生きる」ことにつながるのか
行動は、未来や過去ではなく「今」この瞬間にしかできません。
林修先生の「いつやるか? 今でしょ!」という言葉がありますが、あれはまさに本質を突いた言葉だと感じます。つまり、行動すること自体が、すなわち「今を生きる」ということなのです。
おすすめは「それ自体が目的となる行動」
行動の中でも特におすすめしたいのが、「運動する」「歌う」「踊る」といったことです。これらの行動は、やっていることそのものが楽しく、行為と目的が一体化しています。こうした趣味に夢中になれる人は、「今」を心から楽しめているのだと思います。
「何のために歌うのですか?」「何のために踊るのですか?」といった問いは、少しナンセンスに聞こえるのではないでしょうか。それは、歌うことや踊ること自体に意味があるからです。
このように、それ自体に意味があり、無心になって取り組める行動を見つけ、それを突き詰めていくことが、「今を大事にし、幸せに生きる」ための最も分かりやすい方法なのではないでしょうか。
日常生活で「今」を楽しむヒント
もし、夢中になれるものがすぐに見つからなければ、歌ったり、踊ったり、運動したりすることから始めてみてはいかがでしょうか。
また、「食事をする」という日常的な行為も、「今を楽しむ」行動です。目の前の食事を「おいしいな」としっかり味わって食べる。これもまた、「今」に集中している素晴らしい時間です。
幸せに生きるコツ
できるだけ具体的な「行動」に落とし込み、その行動自体に意味があるもの、つまり「何のために?」と問うのが無意味に感じるほど夢中になれるものを見つけて生活の中心に据えてみましょう。
そうすることで、人生はよりハッピーなものになり、「幸せに生きるためのコツ」のようなものが自然と見えてくるのではないかと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。