
年金だけではとても生きてはいけないこの時代。「分配金」を主収入とした生活を推奨するのは、“虎の子”を投資信託の購入に充てて大成功した、著者・梅森浩一だ。実際に「分配金生活」を行った梅森が、その注意点を解説する。※本稿は、梅森浩一『年金だけでは足りない人のための 分配金生活』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
65歳以上の無職かつ夫婦2人世帯
毎月の収支平均額は?
今年(2025年)になって、毎月分配型の投資信託に関連して、ある興味深い記事が日本経済新聞の朝刊(3月14日付)に掲載されました。
この毎月分配型は、新NISAから除外されたにもかかわらず、実は「3年連続で資金の流入が続いている」という内容だったのですが、とても興味深い記事でしたので、ご紹介したいと思います。
分配金を毎月配るタイプの投資信託への資金流入が続いている。2024年は5734億円の資金が純流入し、3年連続の流入超となった。年金や給与を補完する収入源を確保したい個人による購入が旺盛なためで、直近の25年も2月末までに2800億円を超える資金が流入した。
同記事の表現を借りると、思いのほか「根強い需要があることが浮き彫りとなった」とのことですが、いまさらながら、多くの年金生活者の「苦しい懐事情」を垣間見た思いがします。
総務省統計局がまとめた「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、私と同じように65歳以上で定年者(無職でかつ夫婦2人世帯)の収入と支出は、次のように知ることができます。