実際の分配金生活で気づいた
「誤解」や「思い違い」

 ここからは、実際に分配金生活を送ってみて私が気がついた、「誤解」や「思い違い」の中から、いくつか参考になりそうな点を箇条書きにしてみました。

●分配金の一部もしくは全部には「利益分配でない分配金」が含まれることがある(単純に「儲かった」と喜べないものがあることに気がついた)。

●その意味で、分配金の「内訳」、つまり「普通」なのか「特別」での分配なのか、その違いと金額を確認するクセをつけておいた方がよい。

●そうはいっても、利用する証券会社によって、「分配金の内訳」を明示していない会社もあるので注意が必要。たまたま運悪く、「知らぬが仏」とばかり、そんな会社を通じて「分配金」投資生活をスタートしてしまうと(私の例ですが)、次のような目に遭う可能性が高くなる。

●それは、自分では気がつかないうちに「特別分配金」での支給を多く受けていたにもかかわらず、あたかも「利益分配金」(普通分配金)が出たものと勘違いしてしまう。

●その結果、ふと気づいたら、とてつもなく「個別元本が目減りしていた」という事態に陥ることもありえる。これがいわゆる「タコ足配当」による「投資元本が溶けて消えてしまった」ことを指す(「だからいわんこっちゃない」と、分配金生活に懐疑的な人がよく指摘している点です)。

●投資元本から強制的に、かつ、頼みもしないのに勝手に払い戻された、いわば「分配金もどき」な返戻金を、自分の無知のせいとはいえ、「やった、今月はたくさんもらったぞ」とぬか喜びをしてありがたく思ったあなたは、以前の私の姿そのものである(なので他人をとやかくいう資格はありません)。

●それはそうなのだ、何せ「元本の払戻金」なのだから、「特別分配金」は無税扱いとなり、あたかも「いつもより多くもらえた」と勘違いしがちなのである。だから、「気づいたら、いつの間にか元本が大きく目減りしていた」となることだけは、くれぐれも気をつけなくてはならない。