「たった一回の成功で終わる人」の特徴・ワースト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

たった一回の成功で終わる人
成果を出し続ける人と、一度の成功で終わってしまう人。
その違いはどこにあるのでしょうか。
元世界チャンピオンの言葉を手がかりにすると、鍵は「成長率」という概念にあります。
単なる才能や一時的な努力ではなく、持続的な成長をいかに実現するかが、これからの時代を生き抜く武器になるのです。
成功を「通過点」と捉える発想
ある元ボクシング世界チャンピオンは、井上尚弥選手を評して「チャンピオンになっても成長率が落ちない」と語りました。
多くの選手はタイトル獲得をゴールとし、そこで練習量が減り、停滞に陥ります。
しかし井上選手は、王座獲得を「通過点」と捉え、若手時代と同じスピードで成長を続けています。
この姿勢が、彼を「モンスター」と呼ばれる存在に押し上げているのです。
成功を終点にせず、常に次の成長を前提に行動できるかが、分岐点になります。
成長率が差を広げる理由
現代は「結果」よりも「成長率」に価値が置かれる時代です。
なぜなら、社会やテクノロジーの変化スピードが加速しているからです。
どんな成果も一瞬で陳腐化する可能性があり、過去の栄光に安住すればたちまち取り残されます。
逆に、毎年わずかでも成長し続ければ、数年後には大きな差が生まれます。
指数関数的な変化が支配する現代社会において、持続的な成長率はもっとも強力な武器となるのです。
「ストイックさ」と「柔軟さ」の両立
成長率を維持するには、単なる根性論では限界があります。
重要なのは、自分に厳しく課題に取り組みつつも、状況に応じてやり方を柔軟に変える姿勢です。
ストイックさだけでは燃え尽きやすく、逆に柔軟さだけでは継続性がありません。
「ストイックさ」と「ゆるさ」を両立させることで、長期的に持続可能な成長が可能となります。
これこそが「ゆるストイック」の核心的な考え方です。
「ゆるストイック」な生き方を
才能や一時的な成果は、環境が変わればすぐに意味を失います。
一方で、「成長率」という武器を持つ人は、常に変化する環境に適応し続けることができます。
目先の勝利に満足せず、成長を通過点と見なす姿勢が、長期的な差を生むのです。
焦らず、しかし淡々と積み上げ続ける。
そんな「ゆるストイック」な姿勢こそ、これからの時代に求められる生き方ではないでしょうか。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。