「資産によって格差がどんどん広がっている」という時代。どう生きればいいのか。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。これからの生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。『ゆるストイック』では、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、誰でもできるプロセスとしてみなさんに共有する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

K字経済とは何か
コロナ禍を経て、多くの国で「K字経済」という言葉が注目されました。
これは、ある人は急成長し、ある人は停滞・後退するという、格差の拡大を示す現象です。
従来のV字回復やL字不況では捉えきれない、新しい経済の構造が進行しています。
K字経済とは、回復局面において一部の産業や人は急成長(上向きの線)し、他の産業や人は停滞または衰退(下向きの線)する状態を指します。
つまり、同じ社会に生きていても、経験する経済状況が全く異なるのです。
コロナ禍以降、この分岐は一層鮮明になりました。
成長する領域と取り残される領域
成長を遂げたのは、デジタルやテクノロジー関連の産業です。
リモートワーク、EC、動画配信、オンライン教育などは急速に需要を拡大しました。
一方で、飲食、観光、対面サービス業は大きな打撃を受け、回復が遅れています。
この構造は一時的なものではなく、今後も継続すると考えられます。
個人レベルでのK字格差
K字経済は産業レベルにとどまりません。
個人レベルでも格差が広がりました。
自粛期間中に自己投資をした人はスキルや資産を増やし、再開後に有利な立場を得ています。
一方で、時間を消費するだけにとどまった人は停滞し、差は広がるばかりです。これは「現代版・浦島太郎状態」とも重なります。
K字経済は、産業や個人の格差が同時に拡大する現象です。
この流れは不可逆的であり、誰もが同じように成長できる時代は終わりつつあります。
だからこそ、自分の環境に依存せず、日々の小さな積み重ねを続ける「ゆるストイック」な姿勢が重要です。
長期的に安定した成長を目指し、ゆるストイックに生きましょう。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)は8.5万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86をスタートさせた。