
ふるさと納税のポータルサイトで行われていた「ポイント還元」が9月末で終了する。ならば、ポイントがもらえるうちに!と9月中に寄付を考えている人も多いかもしれない。しかし、焦りは禁物。駆け込み寄付では“落とし穴”にハマるリスクがある。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)
ふるさと納税のポイント還元は
9月30日まで!
2025年10月1日から、ふるさと納税のポータルサイトによる「ポイント還元」が廃止になる。
廃止を目前に控え、例年であれば12月に発生する駆け込み需要が今年は8月から発生しているという。9月に入り、「今月中に寄付をしなくては」とそわそわしている人も多いことだろう。
ふるさと納税に限ったことではないが、締め切り直前に慌てて行うことはミスが発生しやすい。今回は、「駆け込み寄付でハマりやすいふるさと納税の落とし穴」について解説しよう。
そもそも、ふるさと納税におけるポイント還元とは何か。
ポータルサイトを通じて寄付を行うと、ポータルサイト独自のポイントやマイルの付与などといった特典が受けられる。例えば、楽天ポイントやANAやJALのマイルの還元といったものだ。
総務省は、ポータルサイトのポイント還元キャンペーン競争が激化していることを問題視。ポイント還元の原資も寄付金の一部が使われているため、自治体の収入が実質、減少している実態があるからだ。
ポイントによるお得競争が進むことは本来のふるさと納税の趣旨から外れるとし、制度の見直しが行われることになった。
総務省がポイント競争を問題視し、見直しを実施するのは、自然な流れだろう。ポイント還元廃止が、「ふるさと納税は自治体への応援の手段」という本来の趣旨に立ち返るきっかけになるといい。
そうはいっても、今月いっぱいで廃止になるポイント還元の特典を逃したくない人も少なくないはず。駆け込み寄付で失敗しないコツを紹介しよう。
最大の落とし穴は、「寄付しすぎ」である。収入を多く見積もる以外に、複数の落とし穴があるので、ケース別に見ていく。