今田美桜が“はちきんな女の子”から、“何者でもない妻”へ。涙の長回しで締めた朝ドラ1年俳優・今田美桜さん 写真提供:NHK

連続テレビ小説『あんぱん』(NHK)で主人公・のぶを1年間務め上げた今田美桜さん。長丁場の撮影を終え、仲間と共に歩んだ日々をどう振り返るのか。座長として作品を支えながら挑んだ初の朝ドラ、その思いを聞いた。(聞き手・構成/ライター 木俣 冬)

涙が溢れるような最後の長回し、1回でOK

 2025年8月29日、今田美桜さんの、のぶとして最後の合同取材会が行われた。

 詰めかけたたくさんの記者たちを見て「緊張する、久しぶり…」と今田さん。広報スタッフから「改めまして、約1年間の撮影お疲れ様でした」と声をかけられ「ありがとうございました」と微笑んだ。

 まずはクランクアップの感想は?

「最後のシーンは、嵩(北村匠海)とのシーンだったので2人そろって終えられて良かったと思いました。カメラが3台であって、一連(カットを割らずに長回し)を1回で撮り終わりました。

 嵩さんとのぶにとってすごく大事な、涙が溢れてしまうようなシーンでもあったので、感情的にもなりましたが、最後にOKをもらった瞬間はホッとしました」

 取材会はクランクアップから1週間ほどたっていた。

「1年間同じスタッフやキャストの皆さんと会ってきたので、1週間たっても完全に終わった実感がなくて、まだ撮影が続いているような気もしています(笑)。

 ただ、やっぱり撮り終わった達成感は自分の中にあって。クランクアップした記事を見てたくさんの方から『お疲れ様』とあたたかいお言葉をいただき、心晴れやかな気持ちです」

 振り返って1年間の撮影は長かったのだろうか。

「撮影している間は長いなあと思う瞬間も。8月末の終わりがなかなか遠いなと感じる瞬間もありましたけれど、振り返ってみると本当にあっという間で。全部ひっくるめて楽しかったです」