
NHK大河『べらぼう』出演の
安田顕と奥野瑛太
「鉄のまち」として発展し、北海道を代表する重化学工業・港湾都市の室蘭。そこに大正年間に創立された北海道庁立室蘭中学校を前身とするのが、北海道室蘭栄高校だ。多くの人材を、世に送り出してきた。
人気上昇中の2人の俳優がいる。安田顕(けん、1973年生まれ)と奥野瑛太(えいた、86年生まれ)だ。NHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』が2025年1月から放送されているが、偶然にも2人ともそのドラマに出演している。安田は平賀源内(江戸中期の蘭学者)役を、奥野は徳川治保(水戸藩6代藩主)役を演じている。
安田は、室蘭栄高校を経て北海学園大に進学し、演劇研究会に所属した。96年に研究会の後輩らとともに演劇ユニット「TEAM NACS」を結成した。のちに売れっ子俳優になる大泉洋(73年生まれ、北海道札幌藻岩高校―北海学園大卒)も、その一員だった。
04年~06年にかけ、この演劇集団は札幌ローカルから全国区タレントに脱皮した。安田は、硬派な役から個性的な役まで演じられる俳優として数々の話題作に出演した。『ラーゲリより愛をこめて』など映画・テレビドラマ・舞台・CMなどに休みなく登場している。
奥野は、室蘭栄高校を経て日芸(日本大学芸術学部)映画学科卒。09年ころから、映画やテレビドラマの脇役に起用されるようになった。
俳優では津村知与支(のりよし、75年生まれ)もいる。主に舞台で活躍している。
元宝塚歌劇団星組の男役スター・夢輝(ゆめき)のあは室蘭栄高校から90年に宝塚音楽学校に入学した。
音楽では、竹野留里(るり)が民謡を得意とする女性歌手だ。18年3月に室蘭栄高校理数科を卒業し、札幌医科大保健医療学部作業療法学科を卒業した。高校在学中に民謡大会「どさんこ甚句全国大会」で優勝し、名人の座を獲得した。以来、「民謡日本一の秀才理系女子」などのキャッチでテレビやYouTubeに出演している。
シンガー・ソングライターでは、ピアノでの弾き語りを得意としたNonがOGだ。現在は表舞台に出てこない。J-POPの歌い手である中島洋子もいる。
ジャズミュージシャンの豊岡豊がいた。昭和時代に「東京キューバンボーイズ」のドラマー、「豊岡豊とスイングフェイス」のリーダーとして多くのテレビ番組で、ゲスト歌手の生演奏担当として出演した。12年に死去した。
カスタネット奏者の真貝裕司、作曲家の土田英介、フルート奏者の大村友樹、パイプオルガン奏者の室住素子も卒業生だ。
田尻勝久はシャンソン歌手だ。
田口清隆は「ウルトラマン」シリーズなどの特撮作品を、映画とテレビで手がけた特技監督だ。
松木創はノンフィクション作品や連続ドラマなどを数多く製作してきたテレビディレクター・映画監督だ。放送文化に貢献した優秀な作品、制作者を顕彰するギャラクシー賞を何度も受賞している。